黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

13thアルバム『Party Queen』(後編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

a cup of tea

作曲・編曲:CMJK

 

インストゥルメンタル。軽やかに弾む音が楽しく、どこかコミカル。もうお酒はやめにして、お茶を飲む事にしたらしい。あゆにお茶を勧められたら、是非とも頂きたいものである。

 

 

the next LOVE

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ここからは今までのあゆ作品にはないタイプの曲が続く。パーティーが終わり、現実に戻った後で、新しいアイディアが生まれたのだろうか。この作品はムーディーで気怠げなブルースで、途中に一度テンポの速いジャズを挟み、まるでミュージカルの一場面を観たような気分にさせられる。

歌は幼少期の「アタシ」の「ママ」との思い出と、現在の「アタシ」からの問い掛けで構成される。かつて「アタシ」は、「ママ」の鏡の前の「とびっきり魅力的」な「何か」に夢中になった。そして「ママ」は「アタシ」を、「あなたは美しい」と褒めていた。レディー・ガガの『Born This Way』にも似たような描写があるが、ここだけ見ればとても微笑ましい。しかしそんな「ママ」の元で育った現在の「アタシ」は、目に見えるものしか信じず、自分の事を恨んでいるという。『Born This Way』の主人公が自分の生き方を誇らしく歌うのとは全く逆の結果となったのだ。

「ママ」は「アタシ」を「美しい」と褒める際、その美しさのお陰で「王子様が眠りから覚ませる キスをしに来る」と帰結させていた。裏を返せば、王子様とやらが来るまではただ美しい姿で眠っていれば良い、という事であり、顔を上げて自分の道を歩むように、とは教えていないのである。「ママ」の言う「美しい」とは、例えば『Beautiful Fighters』の「乙女達」や、ここから3曲先に収録された『how beautiful you are』の「あなた」の生き方とは違う、表面的なものに過ぎなかったのだろうか。

「アタシ」が憧れるからには、「ママ」も「美しい」人なのだろう。それこそ待っているだけで「王子様」が寄って来たのかもしれない。そんな「ママ」に「アタシ」は、「愛」について「いくらで売っているの?」「ねぇ貴女はどこで買ったの?」と問う。愛を売り物だと認識している事からして暗澹たる気持ちになるが、ここで改めて楽曲タイトルを見てほしい。「次の愛」を主人公が探しているのなら、最初の愛は何だろう? 自分をいたずらに褒めそやした「ママ」に対するものなのか。あるいは一度、「王子様」らしき人に出会ったが、上手く愛を見つけられなかったのかもしれない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ the next LOVE 歌詞 - 歌ネット

 

 

Eyes, Smoke, Magic

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ブラスの音とコーラスが華やかなジャズテイストの楽曲で、やはりミュージカルのような雰囲気を漂わせている。電話のけたたましいコール音や笑い声が入り交じり、テンポを速めたり遅くしたり極端に揺らす様は何処かコミカルだ。

そんな曲調に載せて歌われる歌詞もまたおかしみを誘う……と思いきや、おどけた言い回しに騙されずによくよく読み解くと、なかなか辛辣な内容である。『the next LOVE』に続いてこの曲にも「ママ」が登場し、更に新しく「パパ」もいるのだが、二人の関係があまりよろしくないらしい。

テレビを見るばかりで他に関心を向けない「パパ」、そのせいで不機嫌になるものの直接不満をぶつける訳でもない「ママ」。主人公の「あたし」はそんな家庭の様子を「見て見ない」ふりをしてやり過ごしている。「そうあたしのベストフレンドは ダイヤモンドとローズ達」という歌詞を見るに、そういうゴージャスなものを持てるような家なのかもしれないが、「ママ」に「それ以上に価値があるモノ」を教わっていない「あたし」は、満ち足りていると言えるだろうか。この辺りの表面的な価値判断は『the next LOVE』にも共通する。

タイトルでもある「Eyes, Smoke, Magic」とはどういう意味だろうか。スラング的な意味があるとすればどなたか私に教えてほしいのだが、何にせよ、主人公の「あたし」が家庭の様子から目を背け、「ひっそりいくわ」という時の合言葉である。なるべく家の中の事に触れない術を身に着けてしまった「あたし」。この環境が気掛かりだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Eyes, Smoke, Magic 歌詞 - 歌ネット

 

 

Serenade in A minor

作曲・編曲:中野雄太

 

 

ストリングスのみで構成されたインストゥルメンタル。感傷的で、時に堪え切れない感情を吐露するかのようなメロディーを、タイトル通りAマイナーで奏でる。このシンプルなインスト曲の後、アルバムは『how beautiful you are』で感動的にパーティーの幕を下ろす。

 

 

how beautiful you are

 

3rdデジタル・ダウンロードシングル。当該記事を参照。

 

 

 

 

※「13thアルバム『Party Queen』(中編)」の『Letter』について、加筆修正しました。ニュアンスは少し変わっています。以前の書き方だと、解釈がかなり狭まってしまうからです。

13thアルバム『Party Queen』(中編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

call

作曲:大西克巳

編曲:tasuku

 

インスト曲を挟んで、ここからはあゆ独特の自省的な路線となる。会場から出て冷たい夜風に当たり、パーティーの酔いを徐々に醒ますかのようだ。浮かれた空気は消え去り、ここまで僅かに見え隠れしていた影の部分が、一気に前面に出てきた感もある。まずは乾いたギターの音が何処かうら寂しい、オルタナティヴ・ロックのこのナンバーから。

「僕」はかつて「君」と共に見た朝陽を思い出す。「始まりのような終わりだった」その光景。「君は覚えてなんかいないんだろう」という推量や、過去形で語られる「君」についての実感、「全て幻だったんだよ」と誰かに言い聞かせられたいという願望は、今や「君」がどんなに遠い存在になってしまったのかを間接的ながらもありありと表現する。「始まりのような終わり」で「精一杯 笑っていた」と言うのは、互いのためにこそ“前向きに”別れたという事だろうか。何にせよ二人の関係は変わり、「ひとりにはしないよ」と言った「君」はもう側にはいない。そして「僕」は結局、未だに「君」の事を思い出している。

「ひとりにはしないよ」と言われた時、「ずっと探し続けてた 何かを見つけた」気がした事。「君」の温もりに触れた時、ある感情を「生まれて初めて感じていた」事。「僕」は「ねぇ一体 あれを何と呼ぶの?」と誰にともなく問い続ける。何故今はもう無いのか、せっかく「探し続けて」きて「生まれて初めて感じ」たものを何故自分は無くす事になったのか、もう無いという事は自分のあの時の実感は間違っていたのか――どうしようもない喪失が込められたシンプルな問い掛けこそ、「あれ」が温かく愛おしい名前で呼ばれるものだった事を示しているのだろう。「wow」「yeah」という男声のコーラスが印象的で、それに呼応するあゆのヴォーカルは、言葉にならない声そのものだ。物悲しさをそのままに、次の『Letter』に続く。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ call 歌詞 - 歌ネット

 

 

Letter

作曲:大西克巳

編曲:tasuku

 

『call』とは作曲者と編曲者が同じ事もあって雰囲気が似ているが、よりウェットで感情的なイメージがある。こちらも「僕」と「君」は距離があるらしく、あるいは『call』と同じ二人の物語なのかも知れない。

「僕」は遠くの「君」へ、「そっちはどうだい?」「友は居てくれるかな?」と、手紙を綴るかのように問い掛ける。何か過去の思い出があるらしい「あの場所」は、あるいは『call』で朝陽を見た場所だろうか?主人公は「まっすぐでまっすぐで 誤解ばかりで なかなか理解はされなくて」という「君」を「好き」でいる。それほど相手を理解し受けとめる心がありながら、「君」が決して近くにいる存在ではないのが何とも切ない。

2番では、ひと握りしかない「シアワセ」のために、「鼻水とか垂らしてさ 這いつくばってるんだよ」という歌詞が出てくる。あゆ作品ではたびたび人の弱さや影が赤裸々に語られてきたが、「鼻水」というあからさまに汚い単語が出てきたのは初めてで、この上なく泥臭くみっともない描写を際立たせている。シアワセを掴むために時には必要な、「かっこ悪い」生き方。仮に『call』と同じ二人の物語であるとすれば、二人が離れたのもその「かっこ悪い」経験の一つだろうか。それとも「かっこ悪い」生き方をした結果離れてしまったのか。何にせよ、「僕」は「君」を好きだと言う。互いの場所で、これからも「かっこ悪」く必死に生きてゆくのだろう。

「君」は飲み過ぎるのと反省するのを繰り返してしまう一面もあるらしい。一応ここでもまた、「飲む」という行為がある。アルバム序盤にいたパーティークイーンも傍から見るとそういう人もかも知れない。そして、あゆにとっての「君」がいるであろう事は承知の上で、あゆファンとしては、「まっすぐでなかなか理解されない」のはあゆ自身のようにも思えてしまう。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Letter 歌詞 - 歌ネット

 

 

reminds me

作曲:中野雄太

編曲:tasuku

 

まず冒頭の一節に漂う、疲労感が凄まじい。「疲れた身体と一緒に 暗い部屋に辿り着き 灯りをつけなくちゃって あの瞬間が大キライ」。スターの多忙さは言わずもがなだが、灯りをつけるのさえ億劫になる経験は、誰しもにあるのではないか。「疲れた身体と一緒に」という、疲れを自らと切り離す表現から、それだけくたくたである事や、共にあるのが自分自身の疲労のみであるという孤独感が伝わってくる。あゆは光の裏にある影を様々描いてきたが、擦り切れた生活感をここまで表現するのも珍しい気がする。前曲『Letter』の「鼻水」のくだりもそうだが、アルバム序盤のパーティーの浮かれた雰囲気からの落差はいよいよ激しい。

疲労のピークに達している「僕」は、忘れてしまいたい、けれど「忘れちゃいけない」過去の痛みと向き合う事になる。そして、その過去に関わっているらしい「あなた」の事を、「許してあげられるといいな」と思う。許せないだけの理由があるはずなのに、いずれ許した方がいいとも思っているのは何故なのか。あゆ作品には、良い事であれ悪い事であれ全ての過去が現在を形作っている、という価値観が見える事がある。感情的には受け入れられなくても、「道」が続く上では必要な過程だったという事かもしれない。

楽曲は単純な1番2番というような構成ではなく、中盤はずっとサビが続いている。疲れ切って部屋に着いたところから虚無感を伴って始まり、徐々にストリングスが劇的に響くロックへ。最後はまた疲れ切ったくだりを繰り返して終わる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ reminds me 歌詞 - 歌ネット

 

 

Return Road

作曲:D・A・I

編曲:中野雄太

 

あゆ作品の根幹を支えてきた自省的でダークな空気は、アルバム冒頭の一見明るい3曲にも潜み、逆にこの陰のあるパートの楽曲も、よく見れば細かい部分で珍しい要素に思い当たる。その中で、この曲はなじみの深い路線が一番現れた作品かもしれない。オルガンやストリングスが悲しくも壮大なシンフォニックサウンドを作り出すロックバラードに載せて、訪れた別れが描かれる。2番の後の間奏ではピアノが狂気を奏で、コーラスが悲劇性を強調するように響く。

互いの瞳に互いを映し、呼吸を忘れる程の出会いをした2人。目を閉じれば、その場面は道を引き返したようにはっきりと思い返せる。しかし今、「私達の瞳に2人はもう居な」い。「だからって 別の何かが 映ってるとかではなくて」という一節の何と切ない事か。他の誰かや何かの方が大切になったわけでもないのに、ただその人が瞳に映らなくなってしまう。想いの行き場がなく、やり切れない。

「他人は面白く可笑しく言うでしょう こんな私達を」「2人の事は2人にしか解らない」というところには、あれこれ憶測で言われがちなスターの立場も垣間見えるが、実際、当人達にしか分からない真実は存在するものである。「2人はもう居ない」というのは、単に想いが冷める事とも違うのかもしれない。想いが変わらなくても見え方は変わりうるのだ。「あの日 確かに見えた もの」が嘘ではないからこそ、その落差は大きい。『appears』では一見幸せそうな2人でも全てが上手くいっているとは限らない、と歌われたが、この作品は、別れもまた外から見えるほど単純ではない事を伝えている。

PVでは、何かの研究施設のようなところに、あゆがバンドと侵入し、激しいパフォーマンスを見せる。喪服のごとき黒一色のドレスで物々しい戦車に乗るあゆは一体何を思うのか。ロボットのように歩く集団が不気味である。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Return Road 歌詞 - 歌ネット

 

 

Tell me why

作曲:Hanif Sabzevari, Lene Dissing, Marcus Winther-Jhon, Dimitri Stassos

編曲:CMJK

 

寂寥感や虚無感を漂わせるR&B。 主人公の自称ではないが、「俺」という一人称が初めて登場する。

ダークなパートに入ってからは離れてしまった2人が登場する歌が続き、その最後であるこの歌にしてようやく離れていない2人が描かれた。ただし、近くにいるのに遠く感じる、という、結局は距離を感じさせる関係ではある。

「私」は「あなた」に「今なにを想っているの?」「その声で聴かせて欲しい」と切実な気持ちを向けている。「あなた」の瞳に「優しいものとか温かいもの」だけが映っている事を願っているが、現実がそうではない事も分かっているらしい。一方「あなた」はどのような様子かと言えば、「いつも全てひとりで 背負ってひとりで苦し」み、「悲しい目で無理矢理 楽しいよって顔してみせ」ている。それはもしかしたら「私」への思いやりなのかもしれないが、「私」はそんな「あなた」の無理に笑ってまで自分だけで抱える姿に無力さを覚え、「少しも支えてあげることも出来ない?」と嘆く。

SURREAL』に「ひとりぼっちで感じる孤独より ふたりでいても感じる孤独のほうが 辛い」という歌詞があったが、この歌に描かれているのも、近くにいるはずなのに心に寄り添えない寂しさや辛さだろう。また、あゆ作品でよく歌われるのは、大切な人とは良い事も悪い事も分かち合いたいとか、大切な人には自分の闇や影も見せていたいという事への、並々ならぬ覚悟だ。それだけに、相手の「痛みや迷いや過去」を感じながらも触れられずにいる悔しさは、計り知れない。

曲全体には溜め息のようなヴォーカルが散りばめられ、終盤は「oh oh Tell me why(訳を教えて)」と懇願するかのように繰り返す。相手を巻き込まないように黙っているのと、相手を孤独にさせないように打ち明けるのと、どちらがその人のためになるのだろうか。少なくともこの歌の「私」は後者を望んでいるようだが。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Tell me why 歌詞 - 歌ネット

13thアルバム『Party Queen』(前編)

デジタル・ダウンロードシングルの『how beautiful you are』を除いて先行発売した曲が無く、ほとんど新曲だけで発表されたアルバムである。以降、あゆはアルバム中心のリリースにシフトしていく。

Rock’n’Roll Circus』と同じくロンドンで収録された今作。ジャケットや歌詞カードは『Duty』、『GUILTY』に続いてヒョウ柄があしらわれている。ただ、この2つがあゆの衣装にも全面的にヒョウ柄を使っていたのに対し、今回は下着にヒョウ柄の靴を合わせるのみという大胆な姿である。下着と言っても、『MY STORY』のようなキュートなデザインのものではなく、黒一色でシンプルだ。オールバックの髪で顔もはっきりと見え、豪奢な部屋で、パーティーの女王が思い切り楽しみながら、何もかもさらけ出したかのような印象を受ける。

その外見の強烈なインパクトを裏切らず、楽曲もまたクセが強く、やはり『Duty』『GUILTY』のようなあゆ特有のダーク路線とは違い、盛りだくさんかつ奇抜な内容である。一方で揺るぎない構成も魅力で、まずはEDM調のパーティーチューン、次にここで打って変わってダークなナンバー、その次は新境地を見せ、最後に感動のバラードで締める。

CDのみ盤、DVD付属盤、DVD2枚付属盤、限定盤の「SPECIAL LIMITED BOX」でリリース。共通のDVDには4曲のPVとメイキング、DVD2枚目にはライブ「ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2011-2012 A ~HOTEL Love songs~」を収録。限定盤はDVD2枚付属盤と、同日発売であった「ayumi hamasaki 〜POWER of MUSIC〜 2011 A LIMITED EDITION」のDVDもしくはBlu-ray、グラス、コースターのセット。ジャケットはDVD2枚付属盤では四つん這いの挑発的なポーズ、CDのみ盤とDVD付属盤はバストアップでそれぞれ違うポーズである。

また、今作と過去のアルバム(ミニ、ベストも含む)合わせて18作が、PLAYBUTTONでもリリースされた。

 

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

 

Party queen

作曲:Timothy Wellard

編曲:tasuku

 

ポップな電子音と共に幕を開けるのは突き抜けたパーティーチューン。ここからEDMが3曲続く。アルバムタイトル曲だが、曲名としては「queen」が小文字から始まる。

とにかく飲んで飲みまくる、底抜けに陽気な1曲だ。歌詞からも「目の前がバラ色」「ゴールドの泡に見惚れたい」というゴージャス感や、「世界はキラキラ光って」「世界はぐるぐる回って」というこの上ない高揚感。こういう歌詞だけ見れば、心の底からパーティーを楽しんでいる様子に見える。

アルバムの初めからこんなにハイペースで飲んでいるが、「明日の頭痛と反省は 今は忘れておくわ」という歌詞を見るに、一応ハイになった自分に対する客観性は持ちつつ、敢えて無視していると取れる。寧ろ、「ここが世界の中心でアタシがお姫様」と思い込もうとしていたり、「都合の良い事とか 楽しい事だけ」を見ていたり、「I am the party queen!」と連呼していたりする場面を見ていくうち、あまりにも空元気に過ぎるのではないか、そうまでしてひと時でも忘れたい事があるのか、と別な方向に勘繰ってしまう。「何度痛い目にあっても 負けたりしないわ」という宣言は、僅かな逃避の後でまた辛い現実に立ち向かうという決意なのかもしれない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Party queen 歌詞 - 歌ネット

 

 

NaNaNa

作曲:corin.

編曲:CMJK

 

少しミステリアスでゾクゾクする、『Ladies Night』にも通じるような曲調。けたたましいサイレン、「tick tick tick  tick tock tick」という秒針のような繰り返しや、ティミーさんのクールなラップが、楽しい宴に乗り遅れるなとばかりに駆り立てる。日本語の歌詞よりも英語の歌詞の割合が圧倒的に大きく、そのほとんどがラップの部分に相当するのが特徴。

こちらも『Party queen』同様、刹那的な享楽の中に一抹の陰がちらついている。数少ない日本語の歌詞では、「頭ん中だけで 考えてばかりいないで」「あなたがあなたで居てくれて嬉しい」「今日の失敗を引きずらないのよ」「今をめいいっぱい楽しんで過ごす事より 大切な事ってなに?」と、他のあゆ作品にも登場してきたような、この時を楽しもうとする前向きな言葉が並んでいる。一方で「昨日の後悔先に立たずよ」という歌詞を見るに、昨日何か取り返しのつかない事があったらしく、開き直っているようにも見える。更に英語の歌詞で終盤、「You’re the Party Queen(あなたはパーティークイーン)」「I’m a Lonely Queen(私は孤独なクイーン)」「Life is just a dream!(人生など夢に過ぎない!)」というフレーズもあるのだ。それまで散々人を大勢呼んだ描写があるのに、未だ孤独であり、人生の儚さを表現する。さてあゆは「You」と「I」のどちらなのだろうか。この「I’m a Lonely Queen」はティミーさん主体のラップパートの中でもあゆが歌う部分である。前曲『Party queen』では「アタシがお姫様」と思い込もうとしていたのだが。

PVでは、あゆがたくさんの仲間と合流し、ダンスをしながら何処かへ向かう様子を描いている。360°カメラの映像を組み合わせ、夜の中をそれぞれがどんな風に会場を目指していたかがユーモラスに映される。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ NaNaNa 歌詞 - 歌ネット

 

 

Shake It♥

作曲:BOUNCEBACK

編曲:CMJK

 

大胆で刺激的なリズムとサウンドで出来た作品。「女の子」の華やかで濃密な世界が描かれている。「Shake it」は「ダンスする」という意味で、ここまでは正に飲んで踊って騒いでというパートだ。

「I ♥ girls」と囁き、「女の子」だけの秘密があると教える主人公の「私」。この曲においては、集っているのは女の子だけなのだろうか。「わかりやすくてわかりにく」いところを「たまらなく大好き」、簡単な事を難しく魅せたかと思えば簡単な事を難しく魅せるところを「愛してる」と言う。「私」は「girls」に「shake it」と何度も呼びかけて煽り、「激しく乱れて」「自由になれるわ」「カウントしたら一緒にきてね 天国へそう」とこの上なくハイになっている。

ところがこの歌には、ひたすら楽し気な『girlish』、女の友情が清々しい『Ladies Night』、互いを励まし合う『Beautiful Fighters』のような、連帯する女性達を描いた作品とは違うところがある。「私よりあの子の方が愛されているなんて 口にしてくれなくてもわかってるわ」という、妙に寂しく突き放した一節が登場するのだ。「たまらなく大好き」「愛してる」という惜しみない愛情表現をしてきた「私」が、受ける愛情については誰かに敵わないと感じている描写は、聞き手に唐突に冷や水を浴びせる。わざわざそんな指摘をした相手や、「私」より「あの子」を愛している人、そして「あの子」は、「girls」の中にいる人物だろうか。華やぐパーティーで盛り上げ役になりながらも、「あの子の方が愛されている」という自覚を持つ主人公も、『NaNaNa』に出てきたような「Lonely Queen」なのだろうか。

PVは『NaNaNa』の続編といった様子で、会場についた一行が賑やかに踊り狂う。「Shake it」の歌詞に合わせて腰を激しく振る弾けっぷりだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Shake It 歌詞 - 歌ネット

 

 

taskebab

作曲・編曲:tasuku

 

恒例のtasukuさんによるインストゥルメンタル。軽快でクールなエレキギターの掛け合いに電子音が絡み合い、後半はドラムの重量感も加わる。

 

 

 

 

ブログをご覧の皆さん、あけましておめでとうございます🎍あゆりあです。

令和ももう4年目……早いですね……。

このブログは平成と令和をまたいでおります。つい最近の事のような感覚なのですが、意外と年月が経っている事に思い当たり、驚いてしまいました。

見ての通り、更新頻度がどんどん遅くなっているのもその原因でしょう……。

言い訳でしかありませんが、2021年の間に目まぐるしくライフスタイルが変わっておりまして、真面目に取り組もうとすればするほど時間が取れない状況です。

何とか早く書き上げたい一方、いい加減な記事を書く訳にもいかないので、とにかく申し訳ない気持ちだけを持ち続けています💦

 

2021年、あゆにも世界にもたくさんの事がありましたね。

2022年が平和でありますように🍀✨

 

 

3rdデジタル・ダウンロードシングル『how beautiful you are』

how beautiful you are

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ティミーさんの作曲した、コーラスが印象的なバラード。初めはほとんどピアノとあゆのヴォーカルだけで静かに始まり、徐々にストリングスも加わって少しずつ高揚していき、最後は神々しいコーラスに包まれながら、ヴォーカルも高らかになっていく。ジャケット写真は薄紫のドレスで梯子に掴まるあゆ。

「今日も一日ありがとう」という優しい言葉で、Aメロは始まる。感謝が向けられているのは、「あなた」の笑顔や涙、生きてきた姿そのものだ。主人公はそんな「あなた」から少なからず影響を受けており、「あなたが思うよりも あなたはずっと美しいから」と語り掛ける。

歌詞の描写を見るに、「あなた」は何か大々的に特別な事をした訳ではなさそうで、笑ったり泣いたり、ただ自分の一日を真摯に全うしたのだろう。その「ただ一日を全うする」事の大切さと尊さをあゆは知っている。『RED LINE ~for TA~』の「君が諦めようとしてる今日って日は、~」、『Thank U』の「明日が来る事への 確約なんてないから」という表現から滲み出るように、それは、平凡な日でさえ次も必ずあると決まっているものではないという意識が根底にあるからではないだろうか。

「You don’t know How beautiful you are(あなたは知らない 自分がどれほど美しいか)」というサビの言葉は、ただ自分が自分である事を肯定してくれる。体裁を整えるよりも、笑顔や涙の一つ一つに自分らしく向き合って進む姿が「美しい」のだ、と。寧ろそんな美しさこそ、時として保つ事が難しいものかも知れない。「あなた」を見ている主人公もまた、自らの美しい生き方を模索していく事だろう。

PVは、一人で歌うあゆと、様々な背景を持つ人々を映していく。向かい風の中を進む人々に、ドレスをなびかせ「あなたは美しい」と凜とあゆが歌う様子が感動的だ。モノクロでシンプルに見せる事でメッセージ性が際立つ。是非ご覧になって頂きたい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ how beautiful you are 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

※記事タイトルが間違っていました。訂正します。

2ndデジタル・ダウンロードシングル『Happening Here』

Happening Here

作詞:小室哲哉前田たかひろ

作曲:小室哲哉

編曲:CMJK

 

trfさんの楽曲をカバー。オリジナルはあゆが『Startin’/Born To Be...』にカバーを収録している『teens』と両A面シングルとしてリリースされている。

原曲はビートが強めに打ち出され、ギターの音がファンキーに響くダンスナンバー。あゆのカバーは全体的な雰囲気を汲みつつ、ブラスの音をゴージャスに利かせる部分と、音数の少ないクールな部分とのメリハリを効かせており、キーボードの音がアクセントになっている。何かが始まりそうでワクワクするような作品。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Happening Here 歌詞 - 歌ネット

2ndミニアルバム『FIVE』

ミニアルバムとしては『Memorial address』から久しぶりのリリース。タイトル通り5曲収録されたその内容は、先行シングルなしの全て新曲であり、フィーチャリングも2曲あるという意欲に溢れたものだ。ジャケット及び歌詞カードのメタルグレーの色味、黒い衣装はシンプルで落ち着いた印象だが、あゆのメイクや表情はよく見ると、荒々しい美しさを湛えている。5曲それぞれに違う個性から、あゆが込めた強い想いを受け取ろう。

CDのみ盤の通常盤とタイアップ盤、DVD付属盤の3形態で発売。2か月ほど経ってからBDM盤でも発売した。DVDには5曲全てのPV及びメイキングを収録。BDM盤には、CDとDVDの内容を収録している。ジャケットは、CDのみ盤が横向きのバストアップ、DVD付属盤は手を添えた顔のアップで、BDM盤はDVD付属盤と同一。タイアップ盤はゲームのイラストである。

 

 

progress

作曲・編曲:中野雄太

 

壮大なファンタジーを思わせるシンフォニックサウンドでゆったりと始まり、1番の終わりからはテンポを速めてハードロックへ。2番の後の間奏はギターとストリングスが暴れ回る、劇的な展開のプログレッシヴ・ロック

「単純な日々をおそれていたのはもう遠い昔 フクザツな日々こそ悲しいのを知ってる」という淡々とした出だしは、あゆが歌手として歩んできた激動の年月を思うとずしりと重たい。しかし主人公は、その悲しみに浸っているわけではない。遠い昔に戻りたいのではなく、「信じたい心」の「間違ってなんかいないよ」という声を聞いているのだ。「全ては現在を選ぶためだったとしたなら」とかつての自分を振り返り、「許したいと思うのは許されたいからなのかな」と自問自答しながらも。

そして主人公には、共に歩む人がいる。「同じ痛みを知って同じ優しさ持ちよった」その人と、「同じ未来」へ前進してゆくという決意は、強く揺るがないものだ。これは過去の積み重ねがあった上での更なる前進を描いた歌である。その積み重ねの間に、「ただ自由でいられたあの頃」は遠くなり、「無邪気な笑顔だけじゃ」過ごせなくなるような出来事が多々あった。そして進み続ける限り、これからも痛みには出会うだろう。けれどそれらを尚、必要な糧として、進んでゆくのである。「何かを信じられる心が残ってるから」と。

PVはあゆの横顔から始まり、曲のテンポが変わるところからはまさにひたすら前に進んでいく映像となる。その道程で様々な人の人生が交錯する。途中では海も渡り、2番の後の間奏では雲まで突き抜けて飛ぶ。そうして最後に辿り着くのは……。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ progress 歌詞 - 歌ネット

 

 

ANother song feat. URATA NAOYA

作曲・編曲:中野雄太

 

抑制的なサウンドR&Bだが、「愛していたよ」というシンプルで真っすぐな言葉の繰り返しが、抑えきれない想いを表現する。『Dream ON』で共演した浦田直也さんが、今回はフィーチャリングとして参加している。

「なのになのに」と後悔を二つ重ねながら始まるAメロの歌詞は、それだけで既にやるせなさを滴らせており、その後サビに到るまでの言葉が全て物悲しく響いてしまう。「隣ばかりうらやんだ」「近すぎて見失った」というのは、渦中にいる時は気付かず、「後になって気が付く」ものなのだろう。見るべき相手は見失っているのに、隣の方はうらやんで見ていた。今更分かっても、「時間は巻き戻せない」のである。巻き戻せないから、余計に「また出逢えるかな なんて愚かな夢」を見るほどの未練が迫ってくる。

そしてあの「愛していたよ」の繰り返しがサビで畳み掛ける。「あの夏の日」はもう遠くなってしまったけれど、「愛していた」事は変わらない。昨日も今日も愛していたし、きっと明日も愛しているだろう。終盤にサビは三つあるが、二度転調した上に、最後のサビは現在形の「愛しているよ」と表現され、主人公の気持ちが最大限に協調される構成だ。もうそばにはいない「君」に「届け」と願う「もう一つの歌」は、愛する気持ちの変わらなさ故に、悲しみに満ちている。

PVでは、あゆと浦田さんがダンサーのパフォーマンスと共に歌う姿を映している。黒い衣装と、暗い舞台へ光が差し込む演出が、この歌の淡々とした空気を表現する。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ ANother song feat. URATA NAOYA 歌詞 - 歌ネット

 

 

Why...feat.JUNO

作曲:原一博

編曲:中野雄太

 

ピアノの音を効かせたミディアムテンポのロックバラード。韓国のアーティスト、JUNOさんをフィーチャリングに迎えている。

こちらも別れてしまった人への未練を歌う歌だが、当然、『ANother song』とは違う見せ方をしている。『ANother song』は愛する気持ちが変わらないことを届けたいと願い、『Why...』では「どうして」という自問自答を深める。過去の自分が出来なかった事、その理由を問うても答えは出ない。出ないからこそ「どうして」とまた聞きたくなってしまうのだ。

「あれから時は経ち 何が変わったんだろう 距離は何を遠ざけたんだろう」と、もう時間も距離も離れてしまった事は分かっている。それでも「名前呼ぶ声」が聞こえたり「君の後ろ姿」を探してしまったり。それほどまでに強い想いがあったのに、「僕」はきちんと伝えないままだったらしい。「大切だったのは 目を合わせる事で 交わす言葉の数じゃなかった」とあるが、散々言葉は重ねたのに、肝心な事だけはっきりと言えなかったのだろうか。「目を合わせる」とは伝える姿勢の事であろう。想いを出し惜しみしてこんな結果を招いた自分に、「どうして」はのしかかる。

「優しさとわがままの違い それさえわからずに」は特に胸の痛むフレーズだ。優しさとは何で、わがままとは何だろう。願いや要求を口にしない事が優しさとは限らず、口にする事がわがままとも限らない。「どの位あと強くなれば 僕らはよかったの」とあるが、いない君には最早聞く事も出来ないので、これも結局は自問自答であろう。「君」が「僕」の想いを待っていたのなら、ただ強く伝えるべきだったのだ。

DVD付属盤には「feat. URATA NAOYA」として浦田直也さんのバージョンもボーナストラックとして収録されている。

PVは児童文学の『不思議の国のアリス』を彷彿とさせつつも、何処かダークな世界観で描かれる。あゆは蝶のモチーフを繋げたドレスを着ており、バラの花を敷き詰めた部屋と、がらんとした色味の少ない部屋を行き来し、それぞれで不思議な人と遭遇する。JUNOさんはさながら、夢の世界に誘い込んだウサギだろうか、あゆの様子を見ている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Why... feat. JUNO 歌詞 - 歌ネット

 

 

beloved

作曲:星野靖彦

編曲:中野雄太

 

胸がじわりと温かくなるような、優しいトーンのバラード。

主人公の「僕」は、自分の情けない面を赤裸々に語る。「言葉振り回して 誰かを傷つけたよ」「後ろ指を指されて 冷たい視線さける ように俯いてるよ」と。こうしてさらけ出すのは、「あなた」が相手だからこそである。そんな自分がどんな風に見えるのか聞かせてほしい、間違ったときは叱ってほしい、けれど他の誰に否定されても褒められたい、そう思う相手なのだ。「あなた」には「あなたのまま」変わらずにいてほしい、こんな変われない「僕」でも側に居させてほしい、そんな愛しさが静かに溢れ出す。

けれど一方で「僕」は、「あなた」も「そんなに強くない」と知っている。「してあげられる事なんてなにもないけれど」と、やはり情けなさを吐露し、その上で、「その心いつも 抱きしめてます」と精一杯の想いを綴る。「最愛の人」の前では、自分を取り繕う事など出来ない。だからこそ情けない自分は情けない自分として受けとめられる事を願い、自分もまたその人をありのまま受け止めたいのだろう。

PVは白いドレスで海辺を歩くあゆと、黒いドレスを纏いながらゆったりと歌うあゆとが交互に映される。海辺のあゆはやがてたくさんの子供達と出会い、その自由な創造力に触れる。ずっとモノクロだった画面が色付くタイミングに注目してほしい。

CDのみ盤と、後に他の作品と同時発売されたPLAYBUTTONには「Orchestra version」もボーナストラックとして収録されている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ beloved 歌詞 - 歌ネット

 

 

BRILLANTE

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ミステリアスな雰囲気を湛え、重厚で壮麗な広がりを持つバラード。作曲はあゆのコーラスも担当しているティミーさんで、この作品も厚みのあるコーラスが特徴的だ。どこか呪術的にも響く声の重なりは、『Duty』を思い起こさせる。

タイトルは「輝かしく」という意味の形容詞で、音楽用語でもある。しかしこの歌で浮かび上がるのは、輝きそのものより、裏にある絶望の影だ。舞台で一筋のスポットライトを浴びるスターの姿そのままに、色濃い闇の中でごく限られた光を見ているのである。

主人公の「あたし」は、長くいた闇から「そろそろ行くわ」と言う。「何も見えなくなったその後で 全て見えた」とは、闇から抜け出す光が差したという事だろうが、その光は残酷な事実も照らし出した。光の差す方向には、ひとりきりで行くしかないのだと。道は狭く、「あなた」とは共に歩めないのだと。「あたし」は痛みのあまり、泣いたり叫んだりする力すらなく、「ひたすら無に襲われるのね」と淡々と実感を述べる。「ふたつだったものが ひとつになって ふたつになった ただそれだけの事ね」とわざわざ言い聞かせるような歌詞がますます痛々しい。「あなた」への想いはもう綴らず、その理由さえも告げない。それほどの痛みを伴って尚、「あたし」は光へと向かう。

ここまでは側にいる人の大切さと、離れてしまって人への変わらぬ愛とを歌ってきただけに、この歌の「あなたを想って 綴るのはこれで 最後にするに事したわ」と突き放すような出だしには、不意打ちを食らったような気持ちにさせられる。殊に『progress』で歌われた二人の姿とは正反対と言ってもいいくらいではないか。そして5曲という限られた作品群の最後にこれほど辛く厳しい歌を持ってくる、あゆのその精神性にこそ、我々は惹かれてしまう。

PVでは、クレオパトラのような姿のあゆが登場する。妖艶な赤いドレスを身に着け、鍛え上げられた屈強な男性達を統べるあゆは、しかし祭り上げられるほどに苦悩と葛藤を見せる。何かに怯えているような歌唱シーンは印象深い。衝撃的なラストまでを見届けよう。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ BRILLANTE 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

浜崎あゆみさん、お誕生日おめでとうございます🎂🍰

世界はまだ厳しい状況ですが、そんな中でも大きなステージを作り上げる姿にはただただ感動するばかり。

これからも歌の力を、どうか私達に教えて下さい。

 

 

そしてこのブログを読んでくださっている皆さん、大変長らくお待たせ致しました。

以前書いたPCの不調と、その他諸々の問題を片づけ、何とかあゆの誕生日にこの記事を投稿する事が出来ました。……と言っても、滑り込みセーフでしたね……本来なら日付変わった瞬間に出したいものです。今日こそはと思ってやきもきしていた方がいらっしゃったら、本当に申し訳ありませんでした。

 

ところで、既に知っている方もいるでしょうが、この辺りからあゆのリリースはアルバム中心になっていきます。

そしてアルバムの記事はどうしても書くのに時間が掛かりますし、そもそも投稿する際、なるべく皆さんがじっくり読んでから次を読めるように、意識的に投稿の間隔を開けます。

何が言いたいかと言うと、投稿のペースが劇的に上がる事はしばらくない、という事です……。

もちろん、今回ほど間隔が空いてしまうのは希なので(希にしなければなりません)、皆さんに忘れられてしまわないうちに更新できるよう、努力するつもりです。

 

それでは、こんな私ですが、これからもお付き合い頂けたら幸いです。

 

 

コラボレーション・シングル『Dream ON』(「URATA NAOYA feat. ayumi hamasaki」名義)

12thアルバム『Love songs』と同時発売されたコラボレーション・シングル。AAAの浦田直也さん名義の作品であり、あゆはプロデュース及びフィーチャリングという形で共演。

発売形態はCDのみ盤、DVD付属盤の2種類。CDのみ盤にはDVD付属盤のCDにはないリミックスが収録されている。DVDにはPVとメイキングを収録。ジャケットは、ボクサーの構えをする2人。浦田さんが左側、右奥からあゆが鋭い目で覗く。CDのみ盤とDVD付属盤では映している角度が違う。

 

Dream ON

作曲:原一博

編曲:CMJK

 

軽快なリズムを刻みながらも攻撃的な空気を研ぎ澄ますR&Bの楽曲は、『STEP you』『Startin’』などを手掛けた原一博さんによるもの。浦田さんとあゆの声が激しく戦ううちに絶妙なハーモニーに昇華する。

あゆの綴った歌詞には二人の対話が描かれ、一人がもう一人を鼓舞しているように聞こえる。「愛されたいとか思ったなら 一体どうすりゃいい」という問いには、フィーリングやタイミングを外さず合わせていくことを「愛とか言う気?」と逆に問い返す。愛がそんな表面的なものではない事は既に分かっているはずだ、と暗に諭しているかのようだ。また、誰かが扉を開けて背中を押してくれるはずだ、という予想には、「とっくに開いてる」と突き付ける。自力で開けろ、という段階ですらない言葉の切れ味にも圧倒されるが、逆説的にはこの厳しさにこそ「背中を押される」だろう。

サビの歌詞は英語で歌われる。誰もが自由なのだ、何処へ行くのも、何をするのも、と。自由――だから、立ち止まっているのも、諦めるのも、あるいは前に進むのも、全て自分次第だと気付かされる。英語の歌詞がリズミカルに響くが、最後のサビでは日本語の歌詞になるのもまた憎い。日本語で歌う「闘う理由はただひとつ 愛を守るため」という叫びは、初めに「愛」について問答していたこととも相まって、この上なく強調されて響く。その後、「Dream ON」という歌詞が、夢を追い続けるまさにその姿を示すかのように何度も繰り返される。

PVでは、町の片隅に作られたリングの上で浦田さんとあゆが、観衆に囲まれながらダンスバトルを繰り広げる。歌詞の通り2人のエネルギーがぶつかり合う様子に、夜の闇と浮かぶライトが緊迫感を与えている。

 

 

歌詞リンク:URATA NAOYA feat. ayumi hamasaki Dream ON 歌詞&動画視聴 - 歌ネット

 

 

※『Love songs(前編)』の記事に、『Dream ON』についての記述を加えました。