2ndアルバム『LOVEppears』と同時発売されたシングルで、ジャケットは俗に「黒あゆ」と呼ばれる。
発売からちょうど20年後、『LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-』の収録内容として再発。
appears “99 Greeting Mix”
作曲:菊池一仁
編曲:HΛL
なかなか人に明かさないだろう胸の内を綴ってきたあゆは、目に見えるものがそのまま真実とは限らないことをよく知っている。
街を歩いている恋人達。幸せそうに見えるけれど、全てが上手くいっていると誰が言い切れるだろうか? 自分の恋だって今、まさに岐路に立たされている……。主人公は恋の始まりから現在までを語りかけるように、しかし感情的にはなりすぎず綴っていく。前半の電話の描写は特に秀逸。「受話器」と言うからには固定電話だが、手段が何であれ、本質は変わらない。とにかくささやかなやり取りを重ねることで、二人の仲は深まっていったのだ。しかし去年の冬は共に過ごせなかったという。今年こそは「メリークリスマス」と言えるかな、というささやかな願いの、なんと切ないことか。
思い出は多くが幸せだった頃のもので、なぜ今すれ違っているのかは語られない。だからこそ、街行く恋人達の幸せをすぐには信じない様子とのギャップが大きい。
『LOVEppears』の“Album Version”に比べると、鈴のような音が多く、より冬や「クリスマス」を意識したアレンジ。ベスト収録などはもっぱらAlbum Versionが使われるので、今作収録の音源は貴重。
歌詞リンク:浜崎あゆみ appears 歌詞 - 歌ネット
immature “JT Original CM Version”
作曲:菊池一仁
編曲:菊地圭介
「僕らはきっと幸せになるために 生まれてきたんだって 思う日があってもいいんだよね」という歌詞が印象的で、何とも言えない心細さと、わずかな希望が見える。
多くを望んでいないのなら、本当に望むものは何だろう? 内なる叫びに耳を傾ければ分かるはず。力強さよりは、例え弱くても何とか前に進もうとする意志を感じさせる曲となった。「あのコや君」のような歌詞は、以降もあゆ作品にたびたび使われる。
『LOVEppears』の“Album Version”に比べると、鋭い音と不安げなメロディーラインが織りなすアレンジとなっている。
歌詞リンク:浜崎あゆみ immature 歌詞 - 歌ネット