黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

17thシングル『SURREAL』

SURREAL

作曲:菊池一仁

編曲:HΛL

 

タイトルは「超現実(的な)」を意味する。「シュルレアリスム」という美術の用語を聞いたことがある人も多いだろう。

絶望三部作を経て一転、アグレッシヴなこのシングルは、3rdアルバム『Duty』と同時発売された。両方ともジャケットは「ヒョウあゆ」と呼ばれたヒョウに扮するあゆ。『Duty』の頃のあゆの葛藤や決意を集約していると見ることができる。なおこちらのジャケットは白黒で、頬のハートマークとタイトルの文字のみが赤い。

悩み絶望することがあっても、好きなものを選んでゆく。それは可能性を手に入れるための勇気であって、無責任であるはずがない。孤独や痛みが伴うなんて承知の上。PVでは、深窓の令嬢のごときあゆが、ジャングルの奥でヒョウあゆに出会う。強くしなやかな野生のヒョウは、秘めたる自らの欲望の象徴だろうか。覚悟を決めた歌詞にピッタリの演出だ。

「ひとりぼっちで感じる孤独より ふたりでいても感じる孤独のほうが 辛い事のように」という歌詞には意外性と説得力がある。ただひとりでいるよりも、誰かがいるのに伝わらなかったり、噛み合わなかったりする方が確かに孤独感は強い。

もはや現実とは思えぬような状況、「どこにもない場所」でも主人公は立っている。大切な人との約束があるのだ。「君」が君のままでいてくれると思えば、私もまた私のままでいられる。「la la la -」で始まるサビは最後にだけ2回出てくる構成で、最高のカタルシスだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ SURREAL 歌詞 - 歌ネット

再考:『Duty』後編