作曲:CREA
編曲:HΛL
北野武監督の映画『Dolls』をイメージした作品だという。もちろん映画と合わせて楽しむことも出来るだろうが、この作品一つでも豊かな世界を持っている。曲調は物語的で、楽園にいるかのように不思議なサウンドに、哀切漂うメロディーを合わせている。
歌詞は日本語の美しさが際立つものとなった。「たとえ散りゆく運命(サダメ)であっても 儚き程にただ愛おしく」「形なき故尊いのでしょう」などの古語風の言い回しや、「~でしょう」「~ましょう」という丁寧で優しい語尾に詩情が溢れている。「燃え立つ日も 静寂の夜も」という情景が思い浮かぶ描写も素晴らしい。
そして、「綺麗な花を咲かせましょう そしてあなたに捧げましょう」「私はうたを歌いましょう」と、「あなた」に対する献身が胸を打つ。「花」に関しては最初に「人生」を「花の様なもの」と言っているため、「あなた」に自分の美しい生き様を見せたい、とも取れるかもしれない。最後に「歌いましょう」と持ってくるのもあゆらしいだろう。あゆに美しいインスピレーションを与えた映画に、聞き手は感謝せずにいられない。
歌詞リンク:浜崎あゆみ Dolls 歌詞 - 歌ネット
neverending dream
作曲・編曲:HΛL
インストゥルメンタル。デジタリックなサウンドで、雲の晴れ間から陽が射してまさしく虹が広がるかのように、キラキラと音が広がっていく。
Voyage
28thシングル。当該記事を参照。
Close to you
作曲:CREA
編曲:亀田誠治
美しく鳴り渡る鐘の音と、穏やかなピアノサウンドを中心とした、心温まるバラード。聖歌隊のごときコーラスが神々しくメロディーを包む。あゆ曰く「クリスマスソング」であり、リリースの時期から言ってもクリスマスにぴったりではあったが、楽曲の雰囲気や歌詞の内容からすると結婚式などにも合いそうだ。
前の曲の『Voyage』から引き継いだかのように、愛する人への偽りない想いを率直に綴っている。変わっていくものもあるが変わらないものもある、というのは、このアルバムであゆが見せた姿勢にも通じるだろう。「僕」はたったひとり、「君」に出会うために歩いてきた、と確信している。「涙の日も笑顔の日も 君のそばにいよう」と、シンプルに真っすぐ君に呼びかける。
最後には、生まれ変わっても君を見つける、また歩いていく、と来世にまで目を向ける。次の違う人生までこうして思いを馳せてみるのも、クリスマスにはロマンティックでいいかもしれない。
歌詞リンク:浜崎あゆみ Close to you 歌詞 - 歌ネット
independent+
作曲:CREA + D・A・I
編曲:tasuku
27thシングル収録の『independent』と、シークレットトラックである『+』がつながって収録されている。『independent』の終盤に『+』へと切り替わり、『+』が終わって再び『independent』のラストを迎える、という流れ。ここでは『+』について解説する。
『independent』の流れを汲んでいることもあり、明るく突き抜けたロックナンバーだ。テンポは加速して疾走感が増している。「大した言葉は見つからないんだ」と謙遜のように言いつつも、姿を飾れば虚しい、愛想で笑っても無表情に見える、と、自然体でいられるような言葉を投げかける。サビでは「lalala」とコーラスと声を合わせ、「カモン!」「叫んでくれ」と聞き手を煽る。とにかく肩の力を抜いてみんなで楽しめる、ライブ向きの楽曲となった。