黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

39thシングル『Startin’/Born To Be...』

両A面シングル。ジャケットは黒をバックに座り込むあゆで、脚線美を強調するポーズ。DVD付属盤のDVDには両曲のPVを収録。

 

Startin’

作曲:原一博

編曲:CMJK

 

クラッチ音やサイレンのように唸る音が飛び交う、エレクトロニックを強調したロック。鋭いリズムが聞き手の心をアグレッシヴに刺激する。

歌詞に綴られているのは、主人公の「僕」から「君」への激励だ。「まっすぐすぎてすぐにぶつかる」という「君」の歩き方を「とても好き」と言い、「君の代わりはいない」と存在価値を認めている。だからこそ、「答えなんてない 誰も教えてくれない」と、厳しい言葉も放つ。始めるも終わるも「君次第」、二度と戻らないこの瞬間にどんな決断をするか? もちろん「理想と違う答え」が待っているかもしれない。けれどこの世にひとりしかいない自分が決めたことなら、「思いきり胸張って 顔を上げ」ればいいのだ。突き放すと言うよりは強く背を押すような言葉に、自然と背筋が伸びる。

この歌の歌詞を見るに、やはり1つ前のシングル『Bold & Delicious/Pride』や、直近のアルバム『(miss)understood』での挑戦は大きな転換点だったのかもしれない。始める前に悩んでも「答えなんてない」し、その挑戦への反応は様々で、「理想と違う答えも 受け止める事」が必要になる。それでも自分で選んだことだから、「思いきり胸張って 顔を上げる」。「僕」から「君」へ呼びかける構図そのままに、あゆはいつもこうして自分を奮い立たせているのだろうか。

PVでは、踊りまくったりバイクを飛ばしたり、とにかく攻めの姿勢を貫くあゆがどこかコミカルに描かれる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Startin' 歌詞 - 歌ネット

 

 

Born To Be...

作曲:原一博

編曲:原一博+CMJK

 

『Startin’』とはアプローチが違うが、こちらも聞き手を励まし応援する歌だ。力強いリズムと華やかな曲調、そして高らかな鐘の音が、歓喜に湧くスタジアムを思い起こさせる。

旅立った頃、「君や僕」はまだあどけなく、無防備な笑顔だった。もう今は無邪気ではいられない。だが「今ならわかる事がある」と主人公は言う。多くの失敗があっても、「後悔だけはないように やってきた」。「いつかは 許せる事がある」と、未来を見据えている。無邪気でなくなったから夢も忘れてしまうのではなく、様々な出来事を経た今の自分が夢を追うのだ。「簡単には諦めない」という、「君」との約束を思い出しながら。『fairyland』のテーマとも似ている内容だが、こちらは懐かしさや切なさよりも、夢に向かう希望に重きを置いている。

「あの頃の僕らに もしもどこかで出会ったら」という想像は、これまでの「僕ら」の道程を肯定し自らを勇気づけているだけでなく、「僕ら」と同じように夢を追いかける人への呼びかけとも取れるだろう。まだまだ無邪気な人もいれば、既に失敗を味わった人も、諦めかけている人もいるかもしれない。「人知れず膝を抱えながら 涙していた夜を 乗り越えた小さな背中が 教えてる」という健気な歌詞が、夢を持つ者の胸に迫る。

歌の中では「Born To Be free」と歌われるが、タイトルを見て分かるように、「どうなるために生まれたのか」という問いへの答えは一人一人違うはずだ。PVでは、黄金の光に溢れたまばゆいステージの場面の他、それぞれ自分の夢を抱いた子供達が登場する。その中にあゆも混じっている。「今日がもし 夢に遠くても」で終わる歌詞は、輝かしい未来に向かって道が続いて行くことを示すかのようだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Born To Be... 歌詞 - 歌ネット

 

 

teens “Acoustic Version”

作詞:前田たかひろ

作曲:小室哲哉&久保こーじ

編曲:中野雄太

 

TRFさんの楽曲をカバーしカップリングとして収録した。A面2曲とは打って変わって、静かでやわらかいイメージ。たゆたう夜風のようなストリングスが印象的である。あゆのヴォーカルも、そっと聞き手に寄り添うかのようだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ teens(acoustic version) 歌詞 - 歌ネット