黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

44thシングル『Days/GREEN』、『GREEN/Days』

両A面シングル。43rdシングル『Mirrorcle World』に続くデビュー10周年記念シングルである。『Days/GREEN』には7thシングル『LOVE ~Destiny~』、『GREEN/Days』には8thシングル『TO BE』をリアレンジ・新録ヴォーカルしたものを「10th Anniversary version」として収録。更にそれぞれCDのみ盤とDVD付属盤があり、DVDでは両曲のPVと、『Days/GREEN』では『Days』、『GREEN/Days』では『GREEN』のメイキング映像が見られる。ジャケットは、白いドレスでピンクのバラに囲まれ、バストアップで写るあゆ。4種類ともポーズが少しずつ違う。DVD付属盤には初回限定で縦長のスリーブケース仕様も存在する。

 

Days

作曲:多胡邦夫

編曲:HΛL

 

『Days/GREEN』ではこちらが1曲目の収録。可憐なサウンドが彩る、優しさと温かみに満ちたバラード。冬のさなか、寒さを和らげるように聴きたい1曲だ。

歌詞は「僕」の片想いを綴っている。何気ない言葉も「大事な宝物」に思えるその気持ちは、しかし「自分でも何だか 恥ずかしい位」のもので、「君が知ったらきっと 笑われちゃうんだろう」とも感じる。主人公は「用もなく電話したり」するほど想いを募らせているが、直接それを告げようとはしない。「君がいるそれだけで 心がとても温かくなる」という実感だけを、静かに大切にしているのだ。

2番に入ると、どうやら「君」には「大切な人」がいるらしいということが描写される。切なさを覚える「僕」だが、「君を好きなままでいたい」とだけ願う。「君を想うそれだけで 心は生きる意味をもつから」という歌詞には、そのささやかな願いこそが僕の全てであることが伺える。アルバム『GUILTY』前後は重苦しい流れが続いてきたので、この作品の素朴な内容や素直な言葉選びは、久しぶりに聞き手をほっこりさせるだろう。想いが伝わらない苦しさや、通じ合っても別れてしまう悲しみを描いてきたあゆが、好きでいられるだけでいいと歌うのにも心を動かされる。

PVでは、あゆが想いを寄せる男性といい雰囲気になる……と思いきや、実はそれは夢の中の出来事。正夢を期待するあゆはどうなるのか? というストーリー。歌の内容に沿った内容だが、あゆを取り巻く友情にもほろりとさせられるのではないか。ピンクのふわふわした衣装が可愛らしい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Days 歌詞 - 歌ネット

 

 

GREEN

作曲:湯汲哲也

編曲:tasuku

 

『GREEN/Days』ではこちらが1曲目の収録。和声音階をよく用いてきた湯汲哲也さんの楽曲で、今回は和から中華まで広くつながるサウンドをふんだんに響かせる。タイトルは「緑」だが、絢爛豪華な極彩色の世界が見えるようだ。

歌は「凛とした樹々達」が「色を消して行く」という描写から始まる。秋から冬へと向かう景色の表現であろう。鮮やかに季節を描く表現がこの作品でも光る。主人公の「私」は、その様子を「温もりを怖がる」自分の姿と重ね、「あの人」へ恋をしている自分の気持ちに対して、「現実に目を背け」「真実を否定して」いるのだ。『Days』での「ただ好きでいられるだけでいい」という心情とも違い、弱気になってしまっている。恋する相手を「あの人」と呼んでいることにも何となく距離を感じるが、今は「凛とした樹々達」こそが対話の相手なのだろうか。

しかし「私」は、「風が変わる頃にはこの想い伝えようか」と、覚悟にならないまでも考えてはいる。「再び芽吹いた樹々達が色付」く季節に思いを馳せる。「触れた指の先から想いが溢れ出しそう」という表現は、そんな芽吹きのイメージとも重なるかもしれない。やがて樹々が「緑」に染まり、更にその先、多くの色彩が咲き乱れる日が訪れたら、主人公の恋はどうなっているのだろうか。それぞれの季節をロマンティックに描きながら歌い上げる恋の歌となった。

PVはレトロな雰囲気で、上海の華麗な世界を映し出す。きらびやかに歌うあゆを、男装の麗人と思しき女性が見つめている。後に二人が組んで踊る場面はつややかで魅力的だ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ GREEN 歌詞 - 歌ネット

 

 

LOVE ~Destiny~ (10th Anniversary version)

編曲:小林信吾

 

7thシングルをリアレンジ、ヴォーカルを新録。『Days/GREEN』に収録されている。

前奏などでは原曲でピアノで弾かれていたメロディーがギター中心となり、他の楽器の音色も全体として増えている。元々の切ない曲調に温かさが加わったようだ。

 

 

TO BE (10th Anniversary version)

編曲:HΛL

 

8thシングルをリアレンジ、ヴォーカルを新録。『GREEN/Days』に収録されている。

原曲よりもサウンドにエコーがかかったようなイメージで、優しい浮遊感の中に幻想的な空気が漂う。

 

 

 

 

聖なる夜にこんばんは。あゆりあです。

ちょっと短い令和元年が終わろうとしていますね。

今年の記事はこれが最後になります。年末年始も、あゆと共に、音楽と共に参りましょう。

来年はどんなあゆに出会えるのでしょうか? 楽しみです。

それでは、良いお年を🎶🎵