黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

14thアルバム『LOVE again』(中編)

〔『LOVE again』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

 

task’n’bass

作曲・編曲:tasuku

 

恒例のtasukuさんによるインストゥルメンタル。サイレンのように唸るデジタルサウンドが鳴り響き、リズム良く駆け抜けていく。

 

 

Bye-bye darling

 

作曲:星野靖彦

編曲:tasuku

 

出だしからクールなギターのリフが耳を捉えるロックナンバー。どうにもならない苦しみが叫びとなって現れる。

「僕」はだんだんと「君」の記憶が遠ざかっていくのを感じている。「どんどんぼやけちゃって 触れられないよ」「消えちゃいそうだよ」と、頼りない口調で語る。ただでさえもう側にはいない「君」が、記憶まで消えてしまうのはどれほど悲しいだろう。しかし「僕」は、その現状をも受け入れる。「間違いでも良いと選んだのは 他の誰でもない自分だから」という歌詞から、あくまで自分の主体的な判断だった事を噛み締めているようだ。その結果、「帰る場所」も「眠りたい場所」もなくなってしまったとしても、その責任は自分にあるのだ、と……。「まだ帰っては来ないかい」「そこへ迎えに行こうか」という声は、「僕」の中にしかいない「君」の幻影が言っているのかもしれないが、本当に「君」がそう言ってくれたとしても、どのみち「僕はもう戻らないよ」と決めている。「心がいくら助け求めても」「僕の終わりでも」と、その意志は固い。

その覚悟は、しかしきっぱりとした割り切りから来るものでもない。「僕はなぜ手を離したの」という後悔はこれからも付きまとう。それさえも引き受けなければならない事が「僕」の痛みなのだろう。「この地球(ほし)にたったひとつの光」だった「君」を失い、太陽の昇らない世界で、月だけが終わらない夜を照らし続ける、寂寥感も通り越すほどの描写が強い印象を残す。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Bye-bye darling 歌詞 - 歌ネット

 

 

snowy kiss

 

4thミニアルバム『again』収録曲。当該記事を参照。

 

 

 

Sweet scar

 

4thミニアルバム『again』収録曲。当該記事を参照。

 

 

 

petal

作曲:多胡邦夫

編曲:中野雄太

 

3拍子の楽曲は『GUILTY』収録の『Marionette』以来。同じ多胡邦夫さんの楽曲では『SCAR』も3拍子である。物語的で何処か妖しげな雰囲気の曲調に乗せて、「花占い」をモチーフにした歌詞が綴られる。「~ました」「~でしょう」と丁寧語で語る、シンプルだが想像の余地を残したお話は、まるで絵本を読むかのよう。

主人公がある日の帰り道に出会ったのは、「見慣れぬ一輪の花」。自分からすれば「色も形も何も好みではなかった」が、惹かれるものがあった。2番で水を替える描写があるので、摘んで持ち帰ったのだろう。場所を移しても「恐れのかけらも見せずに咲いて」いる花。それに対し、花占いを想像する主人公の、何と頼りないことか。想いを寄せる相手に直接確かめるのではなく、凜と咲く花の強さに「運命委ねてもいいですか」と訊ねているのである。まだ実際に占ってはいないようだが、この様子では出来ないままかも知れない。「最後に残るひとひらが 嫌いな方だったら…」と、この小さな占いすら結果を怖がっているのだから。弱気な主人公に、恐れのない花の花びらをちぎって散らすのは難しいだろう。

自分の弱さと花の強さの対比は『Hana』を思い出させる。花と言えば散る儚さをあゆは度々綴ってきたが、その儚い瞬間を迎えるまでは強く咲き誇っている事も、また教えてくれる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ petal 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

お読み頂いている皆様、2023年が始まってもうひと月近くですが、これが今年初投稿です。すみません!

しかも、前の記事のタイトルに「(前編)」と付け忘れていたのにも今気付きました。重ね重ねすみません!

今日はあゆの新アルバムが出ましたね。もう聴きましたか?私は……予約注文したのにまだ届きません😢

一刻も早く新作を楽しみたいです。

そして、なるべく早くこのブログで記事にしたいです。