黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

6thデジタル・ダウンロードシングル『Step by step』

デジタル・ダウンロードシングル。ハイレゾ配信盤では『July 1st』をカップリングとして収録。“ジャケット写真”は光の中で微笑むあゆのバストアップ。

 

 

Step by step

作曲:湯汲哲也

編曲:中野雄太

 

明るくポップな曲調は、シングルとしては久しぶりかもしれない。行く先を照らす光のようなサウンドにのせた言葉のエールに、背中を押される事間違いなしだ。

「足りないモノならとっくにあるから」という、一見相反しているように見える表現は何度もあゆ作品に登場してきた。『Far away』の「始発駅で 終着駅でもあった」、『I am...』の「本当の嘘最後までつき通して」、『everywhere nowhere』の「何処へだって行け過ぎて 何処へも行けずに」などなど、よく考えれば相反しているのではなくその通りである、と感じる哲学や奥深さがそこにある。今回は2番で同じメロディーに当たっている「無いものいつまで数えてるより 有るものいくつ気付けるかだよ」がその真意ではないだろうか。

そして主人公は「小さな夢ならば叶わないだろう」と、「大きな夢」に向かっている。やはりこれも、小さな夢の方が叶いそうに見えるから不思議な歌詞である。注目すべきは、主人公はひとりで頑張っている訳ではないという事だ。「一緒にいることでほら無限の可能性に」と、多くの力が合わさってこそ成し遂げられる何かを目指している。支え合い、ひとりで足りない部分は補ってくれる誰かがいる、それが「足りないモノならとっくにある」ということのかもしれない。

だから「もう一歩」「あと一歩」と強調するサビは、「たかが一歩」という頼りないものには決して聞こえないのである。『Fly high』では、進めずにいる一歩が長い道になるほど積み重なってしまった、という後悔が歌われたが、今作では道程を作る全ての一歩の重みがポジティヴに描かれたと言えるだろう。「僕ら」が「100歩分以上の意味を持つから」「世界を動かすチカラになる」と信じて踏み出す一歩の先に、大きな夢へと辿り着く道が続いているはずだ。

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Step by step 歌詞 - 歌ネット