両A面シングル。同じメロディーの楽曲に、違う歌詞を乗せ、違うアレンジを施すという試みがなされた2曲。ジャケットは南国のような景色の中、ブラウンのビキニにパレオという姿で立つあゆ。CDのみ盤とDVD付属盤で少しポーズが違う。DVDには両曲のPVと、『Sunrise』のメイキングを収録。
作曲:西村華
Sunrise ~LOVE is ALL~
編曲:CMJK
Sunset ~LOVE is ALL~
編曲:中野雄太
太陽は昇っては沈み、沈んでは昇る。当たり前に繰り返す自然の営みのように、確かな愛で結ばれた二人が呼応する。それぞれの景色から同じメロディーで夏を染め上げる2曲だ。
アップテンポでポップなEDM調の『Sunrise』は「僕」から「君」へ、「もっと信じてみて」「もっと大きな声で」と、「もっと」「もっと」という呼びかけが強調されている。突き抜けていくような明るさに溢れているが、ただ、全てが上手くいっているわけではないらしい。「君」はさっきまで涙を流していたし、「僕」は「君」の言いたい事やまだ見ぬ一面に対して「向き合うつもりになっている だけで 逃げてるよね」と自覚している。それでも「僕」は「受けとめていける自信があるし」「全部覚悟できたから」と前向きで、日の出と共に明るく拓けてゆく視界のような高揚感の中、愛を叫び続ける。
一方、スローテンポでピアノがさざ波のように光るバラードの『Sunset』では、「もっと」だけでなく「そっと」というアプローチも加えられた、「私」から「あなた」への丁寧な想いが綴られる。「私」から見た「あなた」は「ちょっと無神経 てか不器用」であり、そこを好きだと言いながらも「乙女心」も気にかけてほしいと思っている。もしや『Sunrise』の初めで泣いていたのは、二人の間の行き違いが原因だったのだろうか……という想像も出来るかもしれない。「私」もまた踏み出すことへの怖さを抱え、「肝心なところで 話 そらすんだよね」と語るが、「あなた」に伝えたい愛があることは変わらないようだ。歌は夕日を見送りながら想いを語るような安寧さで満ちている。
二人とも、自分の至らないところはよく分かっているし、ためらいや戸惑いも正直に口にする。その上で、完璧ではない者同士、その完璧でないところもひっくるめて愛し合っていきたい、という同じ結論を出している。確かめ合うのは終わりにして、ただ大きな愛、強い愛を惜しみなく伝えよう。不器用なら、その不器用さごと伝えよう。愛は全てだ。そんなストレートな想いが共にある二人ならきっと大丈夫だ。
PVは両曲とも同じ場所で撮影されており、海辺に作られたステージに高く登ったあゆが歌う。『Sunrise』では晴れ空の下、お客さんも高いところから声援を送り、ダンサーの煽りに合わせてタオルを振り回す。『Sunset』ではお客さんは下に降り、しっとりと歌うあゆと共に穏やかな金色の光に照らされる。
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