黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

4thミニアルバム『again』

デビュー15周年記念の5ヵ月連続リリース第2弾。

新曲4曲とリミックスで構成されたミニアルバム。アップテンポなポップスに感動的なバラードと、やはり様々な系統の作品が並ぶが、『LOVE』と合わせて新曲7曲でありながら前作『LOVE』とは違う曲調であることに、あゆ作品の多彩さを実感する。

DVD付属盤、CDのみ盤の2形態でリリース。ジャケットは男性と寄り添うあゆで、DVD付属盤は視線をこちらに向け、CDのみ盤は男性と顔を寄せている。光に包まれて色が淡く映っているのが特徴だ。

 

 

Wake me up

作曲:Hiten Bharadia、Philippe-Marc、Anquetil、Bardue Haberg

編曲:tasuku

 

デジタルサウンドがクールに響き、不穏な空気を醸し出すEDM。

「渇ききった喉」「昨日のままでもっとくずれた ヘアとメイク」と、やさぐれた描写で始まる。例えば『Party Queen』の初めの3曲のように飲み明かした次の朝だろうか、あるいは同じく『Party Queen』収録の『reminds me』のように、疲労困憊で帰って来てすぐ寝てしまったのだろうか。いずれにしても、「冴えた冷めた頭でパズルを 完成させちゃったところよ」と、主人公の「アタシ」の自分を客観視したややシニカルな言い方は、突き放した印象だ。夢見る余地のない現実がそこにはある。

冷静な「アタシ」は、「あの子やあいつ」が好き勝手言うことに「いちいち的を 得てるから反論できないわ」と思っている。あゆ作品では「結局指さされるなら あるがままに(『alterna』)」「はさむなら口でも何でもご自由に(『1 LOVE』)」などなど、周りに流されず自分の道を歩もう、というスタンスが多く繰り返されてきた。しかしここでは、「好き勝手」の中身が正論だとは認めていて、「I gotta let you go(あなたを解放しなくちゃ)」「もうそっとしておいてよ」という歌詞からは、自分を貫く強さより、ある種の諦観の方が色濃く見える。それだけに、直に問い掛ける囁きのような「(あなたもよ)」にはゾクりとしてしまう。

サビの「砂の城」という歌詞に、『(miss)understood』DVD付属盤の初回特典写真集にあった同じ言葉を思い出す人もいるだろう。ただ、写真集では「“浜崎あゆみ”は壊れやすいが、やって来る波に備えているから壊れない」という主旨で語られた。対して今作の歌詞は、「何でもあって何にもない」「誰でも入れて誰も入れない」……立派に見えても所詮は脆い砂、と言いたげだ。ところでサビでは「wake up(目覚めて)」「get up(起きて)」としきりに繰り返すが、タイトルはよく見ると「Wake me up」、「アタシを目覚めさせて」である。相手が砂の城の真実に目覚め、離れて行った時が、自分の目覚めでもあるという事だろうか。「泣いてなんかない」という言葉が切ない。

PVは、あゆが二人の男性と共に旅行に出掛けるストーリー。あゆは片方の男性と付き合っていたようだが、旅行中にもう一人の男性と接近。ラストシーンではあゆの腕に注目してほしい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Wake me up 歌詞 - 歌ネット

 

 

Sweet scar

作曲:D・A・I

編曲:中野雄太

 

美しく流れるピアノを中心とした物静かで感傷的なサウンドが、優しさを奏でるバラード。音も言葉もシンプルながら、健気で深い愛を示す。

「眩しいあの季節」を通り過ぎ、「冷たい風が距離を近付けるね」と感じる日々を、「僕」と「君」はそっと寄り添うように生きる。「おはようって毎日言える」二人だが、「おやすみはもう悲しくないね」「繋いでた2人の手が 離れて行くのを感じたとき」という歌詞から察するに、共に暮らしてはいないらしい。「たくさんの夜を乗り越えたね」「今だって何とかなんだけどね」と、詳しい事情は分からないものの、「僕」も「君」も何か困難を抱え、その苦痛は消し去れなくても、時間を掛けて少しずつ笑顔を増やしてきたと伝わってくる。

あゆ作品における「傷」は、「きのう癒された傷が 今日開きだしたとしても(『Trauma』)」「誰も皆言えぬ傷を連れた 旅人なんだろう(『Voyage』)」「癒されぬ傷口は 時々開きながらも やがてまた閉じる(『Beautiful Fighters』)」のように、多くは「癒えないもの」として出てくる。そして、傷が癒えなくても前を向いて生きていくことは出来るし、大切な人となら痛みも分け合える、と描かれることも多い。この作品の主人公は冒頭から、「柔らかく力強く 君を包める僕になりたい」と決意を繰り返し、「君」が微笑むまで「大丈夫」と伝えたい、と語る。「~ね」という口調を重ね、「君」に対する愛情のまさに「柔らかさと力強さ」を、この上なく優しい形で表現している。互いの他には頼るもののなさそうな二人が、傷さえも共有している姿が、「Sweet scar」というタイトルに表れているのだろう。

PVでは、あゆがベッドに腰かけているところから、優しい光に満ちた部屋で時を過ごし、やがて庭に出て行くまでが全てワンカットで撮られている。歌詞を口ずさみながら、時折こちらに目を合わせるように投げかける表情にドキリとさせられる。海の描かれた大きな絵の前に来るシーンが特に印象的。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Sweet scar 歌詞 - 歌ネット

 

 

snowy kiss

作曲:小室哲哉

編曲:tasuku

 

緊迫感あるリズムを刻むデジタルサウンドの楽曲で、どうにもならない混沌を描くようにストリングスが鳴り響く。湛えた激しさは、夏のごとき情熱ではなく、冬の凍てつく嵐を表す。

太陽が沈んで行くのを、「どうか今はまだ夜の闇に 置き去りにしないでいて欲しいと 祈るほどに加速度を増した」と表現し、冬の日の短さを見事に心情に重ねている。後にある「月明りが綺麗すぎるから 2人の傷が透けちゃって怖い」「太陽がまた2人を照らすよ まるで何もなかったようだね」という描写を見ると、昼だろうと夜だろうと、最早2人の愛を刻む時はないらしい。「次の迷える誰か」や「あの子」に思いやりが見えるのは、自分達の関係に期待が出来なくなったからこそだろうか。

「背中が泣いていた」はずのあなたが、振り向くときには「笑顔という仮面」をつけている。大切な人とは良い事も悪い事も分かち合いたい、とあゆ作品で何度も歌われてきたことを思えば、「私」が「あなた」の態度をいかに辛く感じるかが分かるだろう。「優しい嘘だなんていらないから せめて嘘なら本当の嘘ついてみせて」という懇願が切実で苦しい。

「気持ち伝え続けていく事」を「苦手だって出来ないままにした」という描写は、『Why...』の「『逢いたいよ』とか『淋しいよ』とか どうしてももっと伝えなかったんだろう」という歌詞にも通じるものがある。通じ合うためには、伝えるべきことを伝えるしかないのだ。結局「私」は、別れの言葉すらも伝えずに「眠っているうちに頬にキス」をして、雪が足跡を消す中一人去っていく。

PVでは、あゆと恋人の男性がケンカを続けている。お互いに手が出ている様子は相当深刻だ。『Wake me up』『You & Me』とは一連の物語であるらしく、『Wake me up』の舞台となった部屋や、『You & Me』の二人で海に飛び込むシーンなどが登場する。特に海に飛び込むシーンの対比は二人の関係の変化を明確に表現している。せっかく始まった新しい恋も、夏から冬にかけて短い間に終わってしまったようだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ snowy kiss 歌詞 - 歌ネット

 

 

Ivy

作曲:小室哲哉

編曲:中野雄太

 

Dearest』を彷彿とさせるようなロックバラードに乗せて歌われるのは、この上ない人生賛歌。タイトルはキヅタの事で、「不滅」「誠実」などの花言葉を持つ。新曲の中では唯一PVがないので、これまでのあゆの歩みを思い出し、胸の内の葛藤を想像しながら聞こう。

「色んな事がありました」で始まり、「色んな~ました」という形で淡々と、しかし噛み締めるような畳み掛けが、聞き手の心にじわりと浸透する。美しい出来事ばかりではない。「色んな罪を犯しました」「色んな人を傷つけました」と、過ちを赤裸々に告白する。「そうして今ここにいる」主人公の「僕」は、過去に頷き手を振った後、「君のいる未来だけを真っ直ぐ見つめてる」と言い切る。消えない過ちを抱えた上で未来へ向かう覚悟がそこにあるのだ。

「まだまだ嫌われていますか」「まだまだ誤解されていますか」という質問には、スターの孤独も漂う。これは『Wake me up』の諦念とも違うだろう。逐一説明する代わりに「私の事を全員が分かってくれなくても構わない」と歌ういつものあゆの態度ではなく、嫌われたり誤解されたりする悲しみが垣間見える事に、はっと虚を衝かれる。故に「君だけは解っていて」が、他の作品の同様の歌詞とは違って聞こえるかもしれない。「懐かしいあの子」とは、過去の自分自身か、自分と似た立場の人か。あるいは、嫌われたり誤解されたりして離れて行った人だろうか。いずれにせよ、主人公は「精一杯のエール」を送っている。

「あぁ自分自身さえ幸せに出来ずに 一体誰を幸せに出来ると言うのか」という歌詞には、過ちを犯した自分でも幸せになろうとして良いのだという、深い肯定が現れている。過ちから目を逸らすわけではない。過ちがあっても尚、人生は続くのだ。『Dearest』の「いつか永遠の 眠りにつく日まで どうかその笑顔が 絶え間なくある様に」は純粋な願いだが、今作の「長いとは言えない人生の中で どれだけ心の底から笑えたかどうかだよ」は、決して笑顔ばかりではない現実の中で、それでも笑っていようとする意志である。「最後は君の笑顔が見たいから」、主人公はこれからもこの道を行く。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Ivy 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

浜崎あゆみさん、お誕生日おめでとうございます!!

これからもどうか元気で、無理はせず、素敵な歌を歌って下さい♪

 

 

そしてお読み下さっている皆さん、『LOVE』の記事を上げるまでとんでもなく間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。

「投稿頻度を上げなければ」と言いながら、寧ろ下がっている気がしますね……。

今回に関しては、常日頃の忙しさに加え、実を言うとある種のスランプに陥っていた事も原因です。

書きたい事はたくさんあったはずなのに、何を書いたらいいのか分からなくなってしまい、少し書いては休み、消したり書いたりを繰り返したりしているうちに、いつの間にか時間が経ってしまっていたのでした。

ただでさえ投稿の頻度が低い中、「今スランプです」という記事を上げたところで、新着記事だと思って訪れてくれた方をがっかりさせるだけですし、何より作家を生業としている訳でもないのに「スランプ」などと口にするのも恥ずかしく……投稿できなかったお詫びは投稿でしか返せないと、『LOVE』を上げるまでは沈黙したままでいました。

私が何も書けない間にも、あゆは新曲を発表し続けていましたね。やはりプロはすごいです。

恐らくスランプは脱したと思うので、皆さんの期待に応えられるように頑張ります。

3rdミニアルバム『LOVE』

デビュー15周年記念の5ヵ月連続リリース第1弾。

新曲3曲とリミックスで構成されたミニアルバム。時にドラマティックに、時にセンチメンタルに、時に優しくやわらかく、と、様々な系統の楽曲が並ぶ。

DVD付属盤、CDのみ盤、タイアップ盤の3形態でリリース。DVD付属盤及びCDのみ盤のジャケットはあゆの顔を正面からアップで撮ったもので、DVD付属盤はこちらを見つめ、CDのみ盤は目を伏せている。ナチュラルでどこか儚げなイメージだ。タイアップ盤はゲームのイラストである。

 

 

Song 4 U

作曲:HINATAspring、中野雄太

編曲:中野雄太

 

悠々とした出だしから大サビで幕を閉じる構成で、壮大なファンタジーを思わせるサウンドの楽曲。

「また明日ね」という、よく考えていなくても口をつく当たり前の挨拶。けれどその当たり前は「君が居てくれる」事で成り立っているのを「僕」は実感している。当たり前の貴重さを大切な人との関係で再確認する描写がここにも表れている。「光の向こうに 願ってる未来」がある「僕」の、「泣いたままで 君のままで」伝える声を「哀しみごと 抱きしめるよ」という覚悟は、並大抵のものではないだろう。

何の不安もない、という訳ではない。「今だってそんなに 自信はないよ 踏み出せない時もあるよ」と素直に口にする。単に強気一辺倒ではなく、弱い部分も見せるからこそ、その弱さを乗り越える想いの強さが分かる表現だ。それは「月も太陽も輝けないね」「空だって 飛べる気がする」という広々として大きなイメージにまでつながっていく。だからこそ、その広大さから最後の「ただひとり 君のためなら」とミニマムに焦点を絞った時に、途方もない覚悟が胸に迫るのだ。「2 U」「4 U」という表記に何となくプライベートな印象を受けるが、「君のための歌」を、あゆは誰を想って歌うのか。たった一人に伝えたい想いを強く持つ事が、逆説的に多くの人を惹きつけるのかも知れない。

PVは、黒い衣装と白い衣装を何種類かずつ来たあゆが同時に登場し、チェスのごとくゲームを進めていく。最後に黒と白が一つずつ残り、向かい合う場面は爽快だ。メイキング映像では、盤上で緻密に組まれたそれぞれの駒の動きをごく僅かなミスでこなすあゆの姿が見られる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Song 4 u 歌詞 - 歌ネット

 

 

Missing

作曲:原一博

編曲:中野雄太

 

「逢いたい時に 逢いたいって」「寂しい時に 寂しいって」素直に言えたのはかつての話。その切なさを、繊細にセンチメンタルに響くピアノの高音が煽る。

この歌も「私」から「あなた」への強い想いが感じられるが、その表現は張り詰めた悲愴感に満ち、裏に一筋縄ではいかない事情を伺わせる。例えば、互いに信じあっている事を綴ってもいいものなのに、「私があなたの事を 信じられなくなる時 あなたも私の事を信じられなくなってる」と、わざわざ「信じられなくなる時」にフォーカスを当てているのだ。「あなたの強がりの中に 隠されている痛み」を見つけたことについても「抱きしめたくなっている」と感じるが、何故「あなた」は痛みを隠そうとしたのだろうか。

他方、「でも真っ直ぐに進んで行く」「この両手が 塞がっても 諦めない」という強い意志も見せる。しかしそれもまた「もう戻れない」という悲しい決意から来るものらしい。「逢いたい」「寂しい」という気持ちを素直に表そうにも、「自分の都合以外」「誰かの願い」があるためになかなか出来ないという。二人の関係は周囲から歓迎されないものなのだろうか。しがらみに苦しみながら、もがくように共に歩もうとする姿が見て取れ、胸が痛む。

PVは、ススキの茂る野原で、悲しみを堪え切れない様子のあゆが歌う。後ろで人が次々にゆっくりと浮かび上がっていく不思議な演出が、現実と幻の境を曖昧にさせている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Missing 歌詞 - 歌ネット

 

 

Melody

作曲:星野靖彦

編曲:中野雄太

 

この上なく優しい空気に包まれたバラード。ギターとストリングスの柔らかい音が耳に心地よい。あゆはどんなメロディーを届けたいと思っているのか。この作品では激情を叫ぶのではなく、そっと寄り添うように語られる。

「陽が暮れる瞬間の 空が苦手だった あまりに綺麗すぎて まるで全ての終わりみたいで」という心情がまず語られる。「綺麗すぎる」事が苦手な理由になる独特な繊細さが、「その時間」を共に過ごした「君」が「ただ黙って」「涙拭ってくれてた」事の愛おしさに説得力を持たせるのだ。そうして「僕」は、「ありのままでいられる」心地よさを知り、自分もまた「悲しいメロディーしか聴こえない」日の「君」でも「変わらずに愛おしいよ」と受け止める。「君の左側から見える景色が指定席で」あることが「空気のように 風が流れるように」と表現されているのを見るに、心安らぐ関係性なのだろう。「君」が大切な人となり、共に過ごすことがごく自然になっていく実感が、飾らない優しい言葉の連なりにも表れている。

「君に送る僕からのメロディー いつの日か2人で奏でられたらと」。優しく語り掛けるようにあゆは歌う。「僕らだけのペースで」「2人で育てて」と、丁寧に慈しむ様子が描写される。メロディーとはもしかしたら、2人の間にある愛そのもののことかもしれない。「最後のメロディー」は「どうか穏やかで優しい音でありますように」という「僕」の願いが叶うように、聞き手もまた2人を見守っていたくなる。

PVは『LOVE again』に収録。当該記事を参照。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Melody 歌詞 - 歌ネット

ベストアルバム『A SUMMER BEST』

あゆの“夏歌”を集めたベストアルバム。「エー・サマー・ベスト」と読む。タイトルの「A」はロゴ表記。

心躍らせる楽しい歌、しんみりと切ない歌。始まる恋、終わる恋。シングル、アルバムを問わず、それぞれの夏を描いてきたあゆの歌が集められ、その色彩の豊かさに改めて驚嘆する。これからも夏をあゆと共に過ごすなら必携のベスト。シングル『&』のカップリング『theme of a-nation ‘03』、デジタル・ダウンロードシングルの『Happening Here』、新曲『You & Me』はアルバム初収録。

CDは盛り上がる曲を集めた「DISC-N」と切ない楽曲を集めた「DISC-A」の2枚組で、DVD付属盤、CDのみ盤の2形態でリリース。ジャケットは、DVD付属盤は砂浜に座るあゆ、CDのみ盤は青空をバックにしたバストアップ。DVDには収録楽曲のライブ映像もしくはPVが収録されており、初収録のものを含む。

 

 

DISC-N

 

BLUE BIRD

July 1st

Greatful days

glitter

Sunrise ~LOVE is ALL~

AUDIENCE

independent

evolution

Boys & Girls

UNITE!

INSPIRE

NEXT LEVEL

Happening Here

 

 

DISC-A

 

HANABI

HANABI ~episode Ⅱ~

Far away

monochrome

theme of a-nation ‘03

Sunset ~LOVE is ALL~

SEASONS

ANother song feat. URATA NAOYA

fated

MOON

blossom

fairyland

You & Me

作曲:小室哲哉

編曲:tasuku

 

収録曲のうち唯一の新曲。軽快で陽気なEDM調の“夏歌”だが、その歌詞には感傷も漂う。

「friday nite」から次の「friday nite」まで、「morning」から「midnite」まで、その短い時の巡りの中で、「夢中になって恋して そのうちに愛して」と急速に距離を縮めた2人。「nite」という砕けた表記からも、勢い良く前だけに突き進む2人の関係が見えるが、そこには確かに、「叫んだり泣いたりしても それでも 伝えたかった」と言うほどの想いがあった。けれど、「あの夏の想い出は 今もまだ鮮やかなまま」「それが運命なんだって信じていたかった」という歌詞が示すのは、もうこの恋が終わってしまっている事である。一夏の熱で燃え上がった恋は、波が引くように呆気なく終わってしまうものなのか。

転調した終盤には、「この夏は少しずつ 何かを忘れてみよう」と歌われる。「想い出は 今もまだ鮮やか」なのに忘れる事を目指しているのは、「いつだって思い出すなら あなたと2人がいい」と思っているからだろう。最後に「伝えたかった」想いをひっそりと残して歌は終わる。

PVは夏の景色の中、あゆが男性と恋を楽しむ様子が映されるが、最後は不穏な影を残す、歌の内容に沿ったストーリー。冒頭の寂し気なあゆの背中がその結末を物語る。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ You & Me 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

浜崎あゆみさん、デビュー24周年おめでとうございます💖

最近また嬉しいニュースが続々聞こえてくるので、今年もご活躍楽しみです!

 

そしてお読みくださっている皆さん、またもギリギリの更新になった事をお許し下さい……。

13thアルバム『Party Queen』(後編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

a cup of tea

作曲・編曲:CMJK

 

インストゥルメンタル。軽やかに弾む音が楽しく、どこかコミカル。もうお酒はやめにして、お茶を飲む事にしたらしい。あゆにお茶を勧められたら、是非とも頂きたいものである。

 

 

the next LOVE

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ここからは今までのあゆ作品にはないタイプの曲が続く。パーティーが終わり、現実に戻った後で、新しいアイディアが生まれたのだろうか。この作品はムーディーで気怠げなブルースで、途中に一度テンポの速いジャズを挟み、まるでミュージカルの一場面を観たような気分にさせられる。

歌は幼少期の「アタシ」の「ママ」との思い出と、現在の「アタシ」からの問い掛けで構成される。かつて「アタシ」は、「ママ」の鏡の前の「とびっきり魅力的」な「何か」に夢中になった。そして「ママ」は「アタシ」を、「あなたは美しい」と褒めていた。レディー・ガガの『Born This Way』にも似たような描写があるが、ここだけ見ればとても微笑ましい。しかしそんな「ママ」の元で育った現在の「アタシ」は、目に見えるものしか信じず、自分の事を恨んでいるという。『Born This Way』の主人公が自分の生き方を誇らしく歌うのとは全く逆の結果となったのだ。

「ママ」は「アタシ」を「美しい」と褒める際、その美しさのお陰で「王子様が眠りから覚ませる キスをしに来る」と帰結させていた。裏を返せば、王子様とやらが来るまではただ美しい姿で眠っていれば良い、という事であり、顔を上げて自分の道を歩むように、とは教えていないのである。「ママ」の言う「美しい」とは、例えば『Beautiful Fighters』の「乙女達」や、ここから3曲先に収録された『how beautiful you are』の「あなた」の生き方とは違う、表面的なものに過ぎなかったのだろうか。

「アタシ」が憧れるからには、「ママ」も「美しい」人なのだろう。それこそ待っているだけで「王子様」が寄って来たのかもしれない。そんな「ママ」に「アタシ」は、「愛」について「いくらで売っているの?」「ねぇ貴女はどこで買ったの?」と問う。愛を売り物だと認識している事からして暗澹たる気持ちになるが、ここで改めて楽曲タイトルを見てほしい。「次の愛」を主人公が探しているのなら、最初の愛は何だろう? 自分をいたずらに褒めそやした「ママ」に対するものなのか。あるいは一度、「王子様」らしき人に出会ったが、上手く愛を見つけられなかったのかもしれない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ the next LOVE 歌詞 - 歌ネット

 

 

Eyes, Smoke, Magic

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ブラスの音とコーラスが華やかなジャズテイストの楽曲で、やはりミュージカルのような雰囲気を漂わせている。電話のけたたましいコール音や笑い声が入り交じり、テンポを速めたり遅くしたり極端に揺らす様は何処かコミカルだ。

そんな曲調に載せて歌われる歌詞もまたおかしみを誘う……と思いきや、おどけた言い回しに騙されずによくよく読み解くと、なかなか辛辣な内容である。『the next LOVE』に続いてこの曲にも「ママ」が登場し、更に新しく「パパ」もいるのだが、二人の関係があまりよろしくないらしい。

テレビを見るばかりで他に関心を向けない「パパ」、そのせいで不機嫌になるものの直接不満をぶつける訳でもない「ママ」。主人公の「あたし」はそんな家庭の様子を「見て見ない」ふりをしてやり過ごしている。「そうあたしのベストフレンドは ダイヤモンドとローズ達」という歌詞を見るに、そういうゴージャスなものを持てるような家なのかもしれないが、「ママ」に「それ以上に価値があるモノ」を教わっていない「あたし」は、満ち足りていると言えるだろうか。この辺りの表面的な価値判断は『the next LOVE』にも共通する。

タイトルでもある「Eyes, Smoke, Magic」とはどういう意味だろうか。スラング的な意味があるとすればどなたか私に教えてほしいのだが、何にせよ、主人公の「あたし」が家庭の様子から目を背け、「ひっそりいくわ」という時の合言葉である。なるべく家の中の事に触れない術を身に着けてしまった「あたし」。この環境が気掛かりだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Eyes, Smoke, Magic 歌詞 - 歌ネット

 

 

Serenade in A minor

作曲・編曲:中野雄太

 

 

ストリングスのみで構成されたインストゥルメンタル。感傷的で、時に堪え切れない感情を吐露するかのようなメロディーを、タイトル通りAマイナーで奏でる。このシンプルなインスト曲の後、アルバムは『how beautiful you are』で感動的にパーティーの幕を下ろす。

 

 

how beautiful you are

 

3rdデジタル・ダウンロードシングル。当該記事を参照。

 

 

 

 

※「13thアルバム『Party Queen』(中編)」の『Letter』について、加筆修正しました。ニュアンスは少し変わっています。以前の書き方だと、解釈がかなり狭まってしまうからです。

13thアルバム『Party Queen』(中編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

call

作曲:大西克巳

編曲:tasuku

 

インスト曲を挟んで、ここからはあゆ独特の自省的な路線となる。会場から出て冷たい夜風に当たり、パーティーの酔いを徐々に醒ますかのようだ。浮かれた空気は消え去り、ここまで僅かに見え隠れしていた影の部分が、一気に前面に出てきた感もある。まずは乾いたギターの音が何処かうら寂しい、オルタナティヴ・ロックのこのナンバーから。

「僕」はかつて「君」と共に見た朝陽を思い出す。「始まりのような終わりだった」その光景。「君は覚えてなんかいないんだろう」という推量や、過去形で語られる「君」についての実感、「全て幻だったんだよ」と誰かに言い聞かせられたいという願望は、今や「君」がどんなに遠い存在になってしまったのかを間接的ながらもありありと表現する。「始まりのような終わり」で「精一杯 笑っていた」と言うのは、互いのためにこそ“前向きに”別れたという事だろうか。何にせよ二人の関係は変わり、「ひとりにはしないよ」と言った「君」はもう側にはいない。そして「僕」は結局、未だに「君」の事を思い出している。

「ひとりにはしないよ」と言われた時、「ずっと探し続けてた 何かを見つけた」気がした事。「君」の温もりに触れた時、ある感情を「生まれて初めて感じていた」事。「僕」は「ねぇ一体 あれを何と呼ぶの?」と誰にともなく問い続ける。何故今はもう無いのか、せっかく「探し続けて」きて「生まれて初めて感じ」たものを何故自分は無くす事になったのか、もう無いという事は自分のあの時の実感は間違っていたのか――どうしようもない喪失が込められたシンプルな問い掛けこそ、「あれ」が温かく愛おしい名前で呼ばれるものだった事を示しているのだろう。「wow」「yeah」という男声のコーラスが印象的で、それに呼応するあゆのヴォーカルは、言葉にならない声そのものだ。物悲しさをそのままに、次の『Letter』に続く。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ call 歌詞 - 歌ネット

 

 

Letter

作曲:大西克巳

編曲:tasuku

 

『call』とは作曲者と編曲者が同じ事もあって雰囲気が似ているが、よりウェットで感情的なイメージがある。こちらも「僕」と「君」は距離があるらしく、あるいは『call』と同じ二人の物語なのかも知れない。

「僕」は遠くの「君」へ、「そっちはどうだい?」「友は居てくれるかな?」と、手紙を綴るかのように問い掛ける。何か過去の思い出があるらしい「あの場所」は、あるいは『call』で朝陽を見た場所だろうか?主人公は「まっすぐでまっすぐで 誤解ばかりで なかなか理解はされなくて」という「君」を「好き」でいる。それほど相手を理解し受けとめる心がありながら、「君」が決して近くにいる存在ではないのが何とも切ない。

2番では、ひと握りしかない「シアワセ」のために、「鼻水とか垂らしてさ 這いつくばってるんだよ」という歌詞が出てくる。あゆ作品ではたびたび人の弱さや影が赤裸々に語られてきたが、「鼻水」というあからさまに汚い単語が出てきたのは初めてで、この上なく泥臭くみっともない描写を際立たせている。シアワセを掴むために時には必要な、「かっこ悪い」生き方。仮に『call』と同じ二人の物語であるとすれば、二人が離れたのもその「かっこ悪い」経験の一つだろうか。それとも「かっこ悪い」生き方をした結果離れてしまったのか。何にせよ、「僕」は「君」を好きだと言う。互いの場所で、これからも「かっこ悪」く必死に生きてゆくのだろう。

「君」は飲み過ぎるのと反省するのを繰り返してしまう一面もあるらしい。一応ここでもまた、「飲む」という行為がある。アルバム序盤にいたパーティークイーンも傍から見るとそういう人もかも知れない。そして、あゆにとっての「君」がいるであろう事は承知の上で、あゆファンとしては、「まっすぐでなかなか理解されない」のはあゆ自身のようにも思えてしまう。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Letter 歌詞 - 歌ネット

 

 

reminds me

作曲:中野雄太

編曲:tasuku

 

まず冒頭の一節に漂う、疲労感が凄まじい。「疲れた身体と一緒に 暗い部屋に辿り着き 灯りをつけなくちゃって あの瞬間が大キライ」。スターの多忙さは言わずもがなだが、灯りをつけるのさえ億劫になる経験は、誰しもにあるのではないか。「疲れた身体と一緒に」という、疲れを自らと切り離す表現から、それだけくたくたである事や、共にあるのが自分自身の疲労のみであるという孤独感が伝わってくる。あゆは光の裏にある影を様々描いてきたが、擦り切れた生活感をここまで表現するのも珍しい気がする。前曲『Letter』の「鼻水」のくだりもそうだが、アルバム序盤のパーティーの浮かれた雰囲気からの落差はいよいよ激しい。

疲労のピークに達している「僕」は、忘れてしまいたい、けれど「忘れちゃいけない」過去の痛みと向き合う事になる。そして、その過去に関わっているらしい「あなた」の事を、「許してあげられるといいな」と思う。許せないだけの理由があるはずなのに、いずれ許した方がいいとも思っているのは何故なのか。あゆ作品には、良い事であれ悪い事であれ全ての過去が現在を形作っている、という価値観が見える事がある。感情的には受け入れられなくても、「道」が続く上では必要な過程だったという事かもしれない。

楽曲は単純な1番2番というような構成ではなく、中盤はずっとサビが続いている。疲れ切って部屋に着いたところから虚無感を伴って始まり、徐々にストリングスが劇的に響くロックへ。最後はまた疲れ切ったくだりを繰り返して終わる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ reminds me 歌詞 - 歌ネット

 

 

Return Road

作曲:D・A・I

編曲:中野雄太

 

あゆ作品の根幹を支えてきた自省的でダークな空気は、アルバム冒頭の一見明るい3曲にも潜み、逆にこの陰のあるパートの楽曲も、よく見れば細かい部分で珍しい要素に思い当たる。その中で、この曲はなじみの深い路線が一番現れた作品かもしれない。オルガンやストリングスが悲しくも壮大なシンフォニックサウンドを作り出すロックバラードに載せて、訪れた別れが描かれる。2番の後の間奏ではピアノが狂気を奏で、コーラスが悲劇性を強調するように響く。

互いの瞳に互いを映し、呼吸を忘れる程の出会いをした2人。目を閉じれば、その場面は道を引き返したようにはっきりと思い返せる。しかし今、「私達の瞳に2人はもう居な」い。「だからって 別の何かが 映ってるとかではなくて」という一節の何と切ない事か。他の誰かや何かの方が大切になったわけでもないのに、ただその人が瞳に映らなくなってしまう。想いの行き場がなく、やり切れない。

「他人は面白く可笑しく言うでしょう こんな私達を」「2人の事は2人にしか解らない」というところには、あれこれ憶測で言われがちなスターの立場も垣間見えるが、実際、当人達にしか分からない真実は存在するものである。「2人はもう居ない」というのは、単に想いが冷める事とも違うのかもしれない。想いが変わらなくても見え方は変わりうるのだ。「あの日 確かに見えた もの」が嘘ではないからこそ、その落差は大きい。『appears』では一見幸せそうな2人でも全てが上手くいっているとは限らない、と歌われたが、この作品は、別れもまた外から見えるほど単純ではない事を伝えている。

PVでは、何かの研究施設のようなところに、あゆがバンドと侵入し、激しいパフォーマンスを見せる。喪服のごとき黒一色のドレスで物々しい戦車に乗るあゆは一体何を思うのか。ロボットのように歩く集団が不気味である。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Return Road 歌詞 - 歌ネット

 

 

Tell me why

作曲:Hanif Sabzevari, Lene Dissing, Marcus Winther-Jhon, Dimitri Stassos

編曲:CMJK

 

寂寥感や虚無感を漂わせるR&B。 主人公の自称ではないが、「俺」という一人称が初めて登場する。

ダークなパートに入ってからは離れてしまった2人が登場する歌が続き、その最後であるこの歌にしてようやく離れていない2人が描かれた。ただし、近くにいるのに遠く感じる、という、結局は距離を感じさせる関係ではある。

「私」は「あなた」に「今なにを想っているの?」「その声で聴かせて欲しい」と切実な気持ちを向けている。「あなた」の瞳に「優しいものとか温かいもの」だけが映っている事を願っているが、現実がそうではない事も分かっているらしい。一方「あなた」はどのような様子かと言えば、「いつも全てひとりで 背負ってひとりで苦し」み、「悲しい目で無理矢理 楽しいよって顔してみせ」ている。それはもしかしたら「私」への思いやりなのかもしれないが、「私」はそんな「あなた」の無理に笑ってまで自分だけで抱える姿に無力さを覚え、「少しも支えてあげることも出来ない?」と嘆く。

SURREAL』に「ひとりぼっちで感じる孤独より ふたりでいても感じる孤独のほうが 辛い」という歌詞があったが、この歌に描かれているのも、近くにいるはずなのに心に寄り添えない寂しさや辛さだろう。また、あゆ作品でよく歌われるのは、大切な人とは良い事も悪い事も分かち合いたいとか、大切な人には自分の闇や影も見せていたいという事への、並々ならぬ覚悟だ。それだけに、相手の「痛みや迷いや過去」を感じながらも触れられずにいる悔しさは、計り知れない。

曲全体には溜め息のようなヴォーカルが散りばめられ、終盤は「oh oh Tell me why(訳を教えて)」と懇願するかのように繰り返す。相手を巻き込まないように黙っているのと、相手を孤独にさせないように打ち明けるのと、どちらがその人のためになるのだろうか。少なくともこの歌の「私」は後者を望んでいるようだが。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Tell me why 歌詞 - 歌ネット

13thアルバム『Party Queen』(前編)

デジタル・ダウンロードシングルの『how beautiful you are』を除いて先行発売した曲が無く、ほとんど新曲だけで発表されたアルバムである。以降、あゆはアルバム中心のリリースにシフトしていく。

Rock’n’Roll Circus』と同じくロンドンで収録された今作。ジャケットや歌詞カードは『Duty』、『GUILTY』に続いてヒョウ柄があしらわれている。ただ、この2つがあゆの衣装にも全面的にヒョウ柄を使っていたのに対し、今回は下着にヒョウ柄の靴を合わせるのみという大胆な姿である。下着と言っても、『MY STORY』のようなキュートなデザインのものではなく、黒一色でシンプルだ。オールバックの髪で顔もはっきりと見え、豪奢な部屋で、パーティーの女王が思い切り楽しみながら、何もかもさらけ出したかのような印象を受ける。

その外見の強烈なインパクトを裏切らず、楽曲もまたクセが強く、やはり『Duty』『GUILTY』のようなあゆ特有のダーク路線とは違い、盛りだくさんかつ奇抜な内容である。一方で揺るぎない構成も魅力で、まずはEDM調のパーティーチューン、次にここで打って変わってダークなナンバー、その次は新境地を見せ、最後に感動のバラードで締める。

CDのみ盤、DVD付属盤、DVD2枚付属盤、限定盤の「SPECIAL LIMITED BOX」でリリース。共通のDVDには4曲のPVとメイキング、DVD2枚目にはライブ「ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2011-2012 A ~HOTEL Love songs~」を収録。限定盤はDVD2枚付属盤と、同日発売であった「ayumi hamasaki 〜POWER of MUSIC〜 2011 A LIMITED EDITION」のDVDもしくはBlu-ray、グラス、コースターのセット。ジャケットはDVD2枚付属盤では四つん這いの挑発的なポーズ、CDのみ盤とDVD付属盤はバストアップでそれぞれ違うポーズである。

また、今作と過去のアルバム(ミニ、ベストも含む)合わせて18作が、PLAYBUTTONでもリリースされた。

 

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

 

Party queen

作曲:Timothy Wellard

編曲:tasuku

 

ポップな電子音と共に幕を開けるのは突き抜けたパーティーチューン。ここからEDMが3曲続く。アルバムタイトル曲だが、曲名としては「queen」が小文字から始まる。

とにかく飲んで飲みまくる、底抜けに陽気な1曲だ。歌詞からも「目の前がバラ色」「ゴールドの泡に見惚れたい」というゴージャス感や、「世界はキラキラ光って」「世界はぐるぐる回って」というこの上ない高揚感。こういう歌詞だけ見れば、心の底からパーティーを楽しんでいる様子に見える。

アルバムの初めからこんなにハイペースで飲んでいるが、「明日の頭痛と反省は 今は忘れておくわ」という歌詞を見るに、一応ハイになった自分に対する客観性は持ちつつ、敢えて無視していると取れる。寧ろ、「ここが世界の中心でアタシがお姫様」と思い込もうとしていたり、「都合の良い事とか 楽しい事だけ」を見ていたり、「I am the party queen!」と連呼していたりする場面を見ていくうち、あまりにも空元気に過ぎるのではないか、そうまでしてひと時でも忘れたい事があるのか、と別な方向に勘繰ってしまう。「何度痛い目にあっても 負けたりしないわ」という宣言は、僅かな逃避の後でまた辛い現実に立ち向かうという決意なのかもしれない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Party queen 歌詞 - 歌ネット

 

 

NaNaNa

作曲:corin.

編曲:CMJK

 

少しミステリアスでゾクゾクする、『Ladies Night』にも通じるような曲調。けたたましいサイレン、「tick tick tick  tick tock tick」という秒針のような繰り返しや、ティミーさんのクールなラップが、楽しい宴に乗り遅れるなとばかりに駆り立てる。日本語の歌詞よりも英語の歌詞の割合が圧倒的に大きく、そのほとんどがラップの部分に相当するのが特徴。

こちらも『Party queen』同様、刹那的な享楽の中に一抹の陰がちらついている。数少ない日本語の歌詞では、「頭ん中だけで 考えてばかりいないで」「あなたがあなたで居てくれて嬉しい」「今日の失敗を引きずらないのよ」「今をめいいっぱい楽しんで過ごす事より 大切な事ってなに?」と、他のあゆ作品にも登場してきたような、この時を楽しもうとする前向きな言葉が並んでいる。一方で「昨日の後悔先に立たずよ」という歌詞を見るに、昨日何か取り返しのつかない事があったらしく、開き直っているようにも見える。更に英語の歌詞で終盤、「You’re the Party Queen(あなたはパーティークイーン)」「I’m a Lonely Queen(私は孤独なクイーン)」「Life is just a dream!(人生など夢に過ぎない!)」というフレーズもあるのだ。それまで散々人を大勢呼んだ描写があるのに、未だ孤独であり、人生の儚さを表現する。さてあゆは「You」と「I」のどちらなのだろうか。この「I’m a Lonely Queen」はティミーさん主体のラップパートの中でもあゆが歌う部分である。前曲『Party queen』では「アタシがお姫様」と思い込もうとしていたのだが。

PVでは、あゆがたくさんの仲間と合流し、ダンスをしながら何処かへ向かう様子を描いている。360°カメラの映像を組み合わせ、夜の中をそれぞれがどんな風に会場を目指していたかがユーモラスに映される。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ NaNaNa 歌詞 - 歌ネット

 

 

Shake It♥

作曲:BOUNCEBACK

編曲:CMJK

 

大胆で刺激的なリズムとサウンドで出来た作品。「女の子」の華やかで濃密な世界が描かれている。「Shake it」は「ダンスする」という意味で、ここまでは正に飲んで踊って騒いでというパートだ。

「I ♥ girls」と囁き、「女の子」だけの秘密があると教える主人公の「私」。この曲においては、集っているのは女の子だけなのだろうか。「わかりやすくてわかりにく」いところを「たまらなく大好き」、簡単な事を難しく魅せたかと思えば簡単な事を難しく魅せるところを「愛してる」と言う。「私」は「girls」に「shake it」と何度も呼びかけて煽り、「激しく乱れて」「自由になれるわ」「カウントしたら一緒にきてね 天国へそう」とこの上なくハイになっている。

ところがこの歌には、ひたすら楽し気な『girlish』、女の友情が清々しい『Ladies Night』、互いを励まし合う『Beautiful Fighters』のような、連帯する女性達を描いた作品とは違うところがある。「私よりあの子の方が愛されているなんて 口にしてくれなくてもわかってるわ」という、妙に寂しく突き放した一節が登場するのだ。「たまらなく大好き」「愛してる」という惜しみない愛情表現をしてきた「私」が、受ける愛情については誰かに敵わないと感じている描写は、聞き手に唐突に冷や水を浴びせる。わざわざそんな指摘をした相手や、「私」より「あの子」を愛している人、そして「あの子」は、「girls」の中にいる人物だろうか。華やぐパーティーで盛り上げ役になりながらも、「あの子の方が愛されている」という自覚を持つ主人公も、『NaNaNa』に出てきたような「Lonely Queen」なのだろうか。

PVは『NaNaNa』の続編といった様子で、会場についた一行が賑やかに踊り狂う。「Shake it」の歌詞に合わせて腰を激しく振る弾けっぷりだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Shake It 歌詞 - 歌ネット

 

 

taskebab

作曲・編曲:tasuku

 

恒例のtasukuさんによるインストゥルメンタル。軽快でクールなエレキギターの掛け合いに電子音が絡み合い、後半はドラムの重量感も加わる。

 

 

 

 

ブログをご覧の皆さん、あけましておめでとうございます🎍あゆりあです。

令和ももう4年目……早いですね……。

このブログは平成と令和をまたいでおります。つい最近の事のような感覚なのですが、意外と年月が経っている事に思い当たり、驚いてしまいました。

見ての通り、更新頻度がどんどん遅くなっているのもその原因でしょう……。

言い訳でしかありませんが、2021年の間に目まぐるしくライフスタイルが変わっておりまして、真面目に取り組もうとすればするほど時間が取れない状況です。

何とか早く書き上げたい一方、いい加減な記事を書く訳にもいかないので、とにかく申し訳ない気持ちだけを持ち続けています💦

 

2021年、あゆにも世界にもたくさんの事がありましたね。

2022年が平和でありますように🍀✨

 

 

3rdデジタル・ダウンロードシングル『how beautiful you are』

how beautiful you are

作曲:Timothy Wellard

編曲:中野雄太

 

ティミーさんの作曲した、コーラスが印象的なバラード。初めはほとんどピアノとあゆのヴォーカルだけで静かに始まり、徐々にストリングスも加わって少しずつ高揚していき、最後は神々しいコーラスに包まれながら、ヴォーカルも高らかになっていく。ジャケット写真は薄紫のドレスで梯子に掴まるあゆ。

「今日も一日ありがとう」という優しい言葉で、Aメロは始まる。感謝が向けられているのは、「あなた」の笑顔や涙、生きてきた姿そのものだ。主人公はそんな「あなた」から少なからず影響を受けており、「あなたが思うよりも あなたはずっと美しいから」と語り掛ける。

歌詞の描写を見るに、「あなた」は何か大々的に特別な事をした訳ではなさそうで、笑ったり泣いたり、ただ自分の一日を真摯に全うしたのだろう。その「ただ一日を全うする」事の大切さと尊さをあゆは知っている。『RED LINE ~for TA~』の「君が諦めようとしてる今日って日は、~」、『Thank U』の「明日が来る事への 確約なんてないから」という表現から滲み出るように、それは、平凡な日でさえ次も必ずあると決まっているものではないという意識が根底にあるからではないだろうか。

「You don’t know How beautiful you are(あなたは知らない 自分がどれほど美しいか)」というサビの言葉は、ただ自分が自分である事を肯定してくれる。体裁を整えるよりも、笑顔や涙の一つ一つに自分らしく向き合って進む姿が「美しい」のだ、と。寧ろそんな美しさこそ、時として保つ事が難しいものかも知れない。「あなた」を見ている主人公もまた、自らの美しい生き方を模索していく事だろう。

PVは、一人で歌うあゆと、様々な背景を持つ人々を映していく。向かい風の中を進む人々に、ドレスをなびかせ「あなたは美しい」と凜とあゆが歌う様子が感動的だ。モノクロでシンプルに見せる事でメッセージ性が際立つ。是非ご覧になって頂きたい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ how beautiful you are 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

※記事タイトルが間違っていました。訂正します。