〔『Duty』の記事 【前編】 【後編】〕
SURREAL
同時発売の17thシングル。当該記事を参照。
AUDIENCE
作曲:D・A・I
編曲:HΛL
『SURREAL』から続く、ノリの良いナンバー。このアルバムで一番、元気でポジティヴな歌だろう。
「聴衆」を意味するタイトル通り、あゆがファンに向かって呼び掛けている。ライブでの「煽り」を直接歌にしたような歌詞だ。ファンを意識した作品はこれまでにもあったし、この先も様々な形で作られている。この歌は、「一緒に歩いて行こう」というスタンス。誰より先を行く訳でも、誰かの後ろから着いて行く訳でもない。勝つことが出来なくても、「ウマイこと負けてみよう」。肩を並べて歩きながら「君達が僕の誇り」と言ってくれるのが嬉しい。
後に18thシングルとして発売。
歌詞リンク:浜崎あゆみ AUDIENCE 歌詞 - 歌ネット
SEASONS
16thシングル。当該記事を参照。
teddy bear
作曲:D・A・I
編曲:小林信吾
可愛らしいタイトルに、可愛らしいメロディー。けれど歌詞は物悲しい。レコードの針のような音から始まって、ピアノが中心のシンプルなサウンドが、やはりシンプルな歌詞に合う。
頼りなかったけれど、楽しい話で笑い合うこともあった「あなた」。最後の贈り物にクマのぬいぐるみを残して去って行った。おとなしい曲調は転調の繰り返しだけが盛り上がる部分で、儚げなヴォーカルと淡々とした語り口から哀切が滲み出る。
歌詞リンク:浜崎あゆみ teddy bear 歌詞 - 歌ネット
Key ~eternal tie ver.~
作曲:多胡邦夫
編曲:鈴木直人
あゆが「歌う理由」を綴ったものだが、多くのファンに向けた『AUDIENCE』のような楽曲と比べると、よりプライベートで限られたイメージだ。「鍵をかけ贈ります」という歌詞にそれが集約されている。
絵筆は取れないし、手紙にするほど言葉は並べられない。だから歌で伝えたい。サビの「涙の日」と「笑顔の日」の対比や、「だからもう泣かなくていいよ」という歌詞が、そっと寄り添うような優しさを演出している。ロックナンバーだが、『teddy bear』から続けてアルバムの終盤にしっとり聞けるパートだ。
歌詞リンク:浜崎あゆみ Key~eternal tie ver.~ 歌詞 - 歌ネット
girlish
作曲:星野靖彦
編曲:小林信吾
リリース当時に「女子会」という言葉があったかどうか私は知らないが、まさに女子会のような歌。冒頭に笑い声や会話などが入っていたり、歌詞が非公開であったりするのが、仲間内で楽しんでいる演出に感じられる。
ひずみがちなロックサウンドのほど良い気怠さ、「くだらない話で朝まで盛り上がったり」「いろいろあったね」「どんなにたやすく見つけても愛は愛」「こんな感じで行こうよ」というラフな歌詞には、「義務」という堅苦しいテーマを掲げたこのアルバムの最後に、ふっと肩から力を抜いたような開放感がある。あゆが「今を楽しんでいればいい」と呼びかけた後は、ひたすらみんなで「ラララ」の合唱。聞き手も自然と混ざって楽しめるフィナーレだ。