黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

ayuフルアルバム

16thアルバム『A ONE』(前編)

アルバムタイトルは「エー・ワン」と読む。『A Song for ××』以来で「A」がロゴ表記でないが、これはロゴが登場してからでは初めて。 『Colours』のノリのいいEDM路線から一転、噛み締めるような歌詞を載せたバラードを中心にまとめられたアルバムである。前…

15thアルバム『Colours』(後編)

〔『Colours』の記事 【前編】 【後編】〕 Terminal 作曲・編曲:Armin van Buuren、Benno de Goeij 恐らくだが、あゆ作品の中でもかなりの癖の強さを持つ楽曲であろう。フルコーラス分の長さがありながら、歌詞は少なく、謎めいている。ややもすればトラン…

15thアルバム『Colours』(前編)

EDM調を中心にまとめられたアルバム。 言うまでもなく、あゆ作品にはたくさんのデジタルサウンドの楽曲がある。キャリア初期に人気を押し上げた楽曲や、『Love songs』の頃に小室哲哉さんの提供で発表したシンセポップ、『NEXT LEVEL』の骨格となったエレク…

14thアルバム『LOVE again』(後編)

〔『LOVE again』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 glasses 作曲・編曲:中野雄太 インストゥルメンタル。ひずんだ音で奏でられるサウンドは何処か不安そうな空気をまとう。ストリングスやピアノ、加工されたヴォーカルが時折、曇った視界の中で見つけた…

14thアルバム『LOVE again』(中編)

〔『LOVE again』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 task’n’bass 作曲・編曲:tasuku 恒例のtasukuさんによるインストゥルメンタル。サイレンのように唸るデジタルサウンドが鳴り響き、リズム良く駆け抜けていく。 Bye-bye darling 作曲:星野靖彦 編曲:…

14thアルバム『LOVE again』(前編)

デビュー15周年記念の5ヵ月連続リリース第4弾。 ミニアルバム『LOVE』『again』で発表された曲と、新曲で構成されたフルアルバム。『A SUMMER BEST』収録の『You & Me』も再録されている。 『LOVE』『again』の多彩な楽曲が、新曲と合わせて収録されたことに…

13thアルバム『Party Queen』(後編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 a cup of tea 作曲・編曲:CMJK インストゥルメンタル。軽やかに弾む音が楽しく、どこかコミカル。もうお酒はやめにして、お茶を飲む事にしたらしい。あゆにお茶を勧められたら、是非とも頂きたいもの…

13thアルバム『Party Queen』(中編)

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 call 作曲:大西克巳 編曲:tasuku インスト曲を挟んで、ここからはあゆ独特の自省的な路線となる。会場から出て冷たい夜風に当たり、パーティーの酔いを徐々に醒ますかのようだ。浮かれた空気は消え…

13thアルバム『Party Queen』(前編)

デジタル・ダウンロードシングルの『how beautiful you are』を除いて先行発売した曲が無く、ほとんど新曲だけで発表されたアルバムである。以降、あゆはアルバム中心のリリースにシフトしていく。 『Rock’n’Roll Circus』と同じくロンドンで収録された今作…

12thアルバム『Love songs』(後編)

〔『Love songs』の記事 【前編】 【中編】 【後編】 〕 Sweet Season 50thシングル。当該記事を参照。 overture 作曲・編曲:中野雄太 インストゥルメンタル。穏やかで、時に感傷的なメロディーを奏でつつも、徐々に湧き上がる気持ちを抱いて飛び立つかのよ…

12thアルバム『Love songs』(中編)

〔『Love songs』の記事 【前編】 【中編】 【後編】 〕 insomnia 作曲・編曲:小室哲哉 インストゥルメンタル。無機質に刻まれるリズムに、時折ピアノが滴り落ちる雫のように鳴り響く。タイトルは「不眠症」という意味。どことなく緊張感のある空気には、あ…

12thアルバム『Love songs』(前編)

収録曲の多くを小室哲哉さんが手がけたアルバム。前作『Rock’n’Roll Circus』のダークなハードロックとはがらりと雰囲気が変わり、軽快なシンセポップの色合いが強い。そうした曲調から言えば、48thシングルの『MOON』『blossom』が星野靖彦さんからの久しぶ…

11thアルバム『Rock’n’Roll Circus』(後編)

〔『Rock’n’Roll Circus』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 Sexy little things 作曲・編曲:中野雄太 軽やかに飛び跳ねるような、何処かおかしみを誘う曲調で、エレクトロ・スウィングの趣もある。歌詞は前曲『Lady Dynamite』に引き続き、女性に求めら…

11thアルバム『Rock’n’Roll Circus』(中編)

〔『Rock’n’Roll Circus』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 Last Links 作曲:湯汲哲也 編曲:CMJK 作曲者と編曲者が共通している『count down』とは、似ているようで違う曲。こちらはもう少しテンポが速く、からりとしたギターの音が特徴で、歌詞も比較…

11thアルバム『Rock’n’Roll Circus』(前編)

アルバム曲をロンドンで録音したという今作は、「ロックンロール」や「サーカス」という楽しげな単語とは裏腹に、沈み込むような重さが目立つ。その重さは『GUILTY』にも近いものがあるが、『GUILTY』が曲順に従って明確に雰囲気が明るくなっていったのに比…

再考:『Duty』(後編)

参照:3rdアルバム『Duty』(後編) 17thシングル『SURREAL』 SURREAL 「背負う覚悟の分だけ可能性を手にしてる」と言い切り、同情心は「まるで役にも立たないね」と突き返す。「大事なモノ」に伴う痛みを自覚し、「感覚だけは閉ざしちゃいけない」と心に決…

再考:『Duty』(前編)

参照:3rdアルバム『Duty』(前編) 勢い良くスターへと上りつめる『LOVEppears』と、作曲も手掛けながら新たにハードロック路線を獲得していく『I am...』の間に、この『Duty』がある。『A Song for ××』からだんだんと状況や心境に変化はあったにせよ、自…

再考:『A Song for ××』(後編)

参照:1stアルバム『A Song for ××』(後編) As if... 道ならぬ恋の雰囲気を漂わせながらも、あまりドロドロしたものは感じさせず、あくまでピュアな雰囲気でアルバムに溶け込んでいる1曲。 なにか事情のある二人にとって、「これから先の事」は重くのしか…

再考:『A Song for ××』(前編)

参照:1stアルバム『A Song for ××』(前編) モノクロのジャケットに映ったあゆは、覗き込むような瞳でこちらを見ている。あゆの力強い眼差しを強調したジャケットはいくつもあるが、この時は力強さよりも、飾らない想いを伝えたいというひたむきさを感じる…

10thアルバム『NEXT LEVEL』(後編)

〔『NEXT LEVEL』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 Rule 45thシングル。当該記事を参照。 LOVE ’n’ HATE 作曲・編曲:中野雄太 いきなり襲いかかって来るような出だしから入り、切迫した様子で音を刻むストリングスと、低く叩きつけるようにギターが響く…

10thアルバム『NEXT LEVEL』(中編)

〔『NEXT LEVEL』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 Sparkle 45thシングル。楽曲については当該記事を参照。 PVでは冒頭、いわゆる「聖子ちゃんカット」で80年代のアイドル然とした、可憐なあゆが登場。楽曲にそぐわない雰囲気で歌い出したかと思いきや、…

10thアルバム『NEXT LEVEL』(前編)

10周年を迎えて後、10枚目となったフルアルバム。 ジャケットや歌詞カードでの、あゆの衣装やセットはビビッドな色遣いで、デジタリックな印象もまとう。実際、収録されている楽曲はデジタルサウンドを効かせたものが目立ち、ロックナンバーもゴリゴリのハー…

再考:『LOVEppears』(後編)

参照:2ndアルバム『LOVEppears』(後編)、及び各シングル(リンクは各タイトルから) WHATEVER 全体としてノリの良い曲調で、特にVersion Mの方は早いテンポと突き刺すようなサウンドが特徴的だが、描かれる主人公の姿は心が痛むほど健気だ。「長かったよ …

再考:『LOVEppears』(前編)

参照:2ndアルバム『LOVEppears』(前編)、及び各シングル(リンクはタイトルから) 話題になった「白あゆ」「黒あゆ」は、いずれも長い髪を胸元に流し肌を晒すインパクトの強いジャケットだが、このアルバムのコンセプトは「目に見えるものと真実のギャッ…

9thアルバム『GUILTY』(後編)

〔『GUILTY』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 The Judgement Day 作曲・編曲:CMJK インストゥルメンタル。オルガンの音と荘厳な鐘の低い音が重々しい空気を醸し出し、あゆの「ラララ……」というヴォーカルが緊張感を伴って現れる。運命の時を前に鼓動が…

9thアルバム『GUILTY』(中編)

〔『GUILTY』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 GUILTY 作曲:湯汲哲也 編曲:CMJK アルバムタイトルを冠したのは、不安と焦燥を煽るようなメロディーの、ミディアムテンポのロック。ずんとした重さと、鳴り響く鐘の音が罪悪感を際立たせる。 「いくら逃…

9thアルバム『GUILTY』(前編)

ヒョウ柄をあしらっているということで、3rdアルバム『Duty』以来の“ヒョウあゆ”である。ただ、『Duty』が一貫してヒョウそのものに扮したあゆだったのに対し、今回のあゆはジャケットでヒョウ柄のドレスをまとっており、歌詞カードではそれ以外にも多彩な衣…

8thアルバム『Secret』(後編)

〔『Secret』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 taskinst 作曲・編曲:tasuku tasukuさんによるインストゥルメンタル。オルゴールのような音から始まり、カッコいいロックサウンドを重ねて展開し、またオルゴールの音で締める。しんみりとしていたアルバ…

8thアルバム『Secret』(中編)

〔『Secret』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 It was 作曲:伊橋成哉 編曲:tasuku ここまでの力強く熱のこもった空気を一旦覚ますように、おとなしいナンバーが登場する。 もう側にいるはずのない「君」の気配を、あちこちで感じてしまう「僕」。いな…

8thアルバム『Secret』(前編)

前のアルバム『(miss)understood』のイレギュラーな作りを思えば、あゆ作品としてなじみ深い路線ではあるだろう。キャッチーで美しいメロディーや、カッコいいハードロック、繊細な言葉……我々がよく知るあゆの魅力である。だが、それは “あゆっぽい”仕上がり…