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Rule
45thシングル。当該記事を参照。
LOVE ’n’ HATE
作曲・編曲:中野雄太
いきなり襲いかかって来るような出だしから入り、切迫した様子で音を刻むストリングスと、低く叩きつけるようにギターが響くロックナンバー。この楽曲にももちろんデジタルサウンドのアクセントがある。
「あたし」は「あなた」に「愛されたかった」。しかし期待が薄いのは分かっていて、「ほんの一瞬だけでも 夢が叶う夢を見たかった だけなの」と切実に明かす。この「夢が叶う夢」という言い方が「ほんの一瞬だけでも」を強調している。夢が叶うことすら夢なのだ。
愛されたかった「あたし」は、あなたに「思い切って近付いたけど」、今度は嫌われたくないと「思い切り遠く離れた」。近付いた時に何があったかは分からないが、恐らくは近付いたことで、やはり叶わぬ夢を抱いていたのだと実感してしまったのだろう。自分でも驚くほど深くキズついてしまい、「嫌いになれたら もういっそ楽なのにね」と無念さを露わにしている。「あたし」に対し、「あなた」はある「答え」を出してはくれたようだが、「あたしには優しすぎて それが悲しくて苦しい」という結果になってしまった。
どこまでいっても救いのない「あたし」が抱いた夢。無情なカウントダウンが響く演出がそれを際立たせる。
歌詞リンク:浜崎あゆみ LOVE 'n' HATE 歌詞 - 歌ネット
Pieces of SEVEN
作曲・編曲:HΛL
インストゥルメンタル。ゆっくりと何かが満ちてゆくような雰囲気から、HΛLさん独特のエコーのかかった輝かしい音が響く。しかし後半、急にテンポが上がり、ハードロックのサウンドへと変化する。
Days
44thシングル。当該記事を参照。
Curtain call
作曲:原一博
編曲:中野雄太
アルバムに幕を下ろすのは、ピアノの伴奏と、讃えるようなコーラスがしんしんと響くバラード。シンプルだがだんだんと盛り上がっていく曲調は、ベット・ミドラーの『The Rose』を彷彿とさせる。
歌詞は簡潔な言い回しの繰り返しで、「聞こえてる あなたの声が」という「あなた」に対する呼びかけと、「映ってる? 私の顔が」という問いかけがある。その構成や、「あなた」が聞き手に置き換えられる内容は『MY ALL』に似ている。ただ、この歌は簡潔さが特徴で、メロディーは一か所をのぞきサビだけで出来ており、歌詞も煮詰めて凝縮したような印象だ。「一番に言いたい言葉だけが言えない」というのは『For My Dear...』にも通じ、今でも「こんな私」だと歌われているが、それでも言いたいことを突き詰めようとした先にこの歌の歌詞があったのではないだろうか。「愛すべき あなたへ贈る 心からの愛のうた」というメッセージは、簡単なようでいて、本当は言葉を尽くしてこそ辿り着く表現なのかもしれない。伝えることに対するあゆの真摯さは、ちゃんと我々に聞こえている。
PVは、飾り気のない黒いドレスのあゆが歌いながら通りを歩いてゆく。ほぼ正面からだけ映したカメラがワンカットで回り続け、途中に様々な演出があり、「カーテンコール」のタイトルにふさわしい最後を迎える。
歌詞リンク:浜崎あゆみ Curtain Call 歌詞 - 歌ネット
世界の大変な状況に、閉塞感のある毎日が続いています。
このブログを読んで下さっている皆さんはいかがお過ごしでしょうか?心身とも健やかであることを祈るばかりです。
溢れる情報は見極めて取捨選択してゆきましょう(『talkin'2 myself』)。
アーティストの方々が前向きな発信を様々な形でしていますね。もちろんあゆもその一人です。素敵な音楽と共に心の支えにして生きてゆきましょう。