黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

13thアルバム『Party Queen』(前編)

デジタル・ダウンロードシングルの『how beautiful you are』を除いて先行発売した曲が無く、ほとんど新曲だけで発表されたアルバムである。以降、あゆはアルバム中心のリリースにシフトしていく。

Rock’n’Roll Circus』と同じくロンドンで収録された今作。ジャケットや歌詞カードは『Duty』、『GUILTY』に続いてヒョウ柄があしらわれている。ただ、この2つがあゆの衣装にも全面的にヒョウ柄を使っていたのに対し、今回は下着にヒョウ柄の靴を合わせるのみという大胆な姿である。下着と言っても、『MY STORY』のようなキュートなデザインのものではなく、黒一色でシンプルだ。オールバックの髪で顔もはっきりと見え、豪奢な部屋で、パーティーの女王が思い切り楽しみながら、何もかもさらけ出したかのような印象を受ける。

その外見の強烈なインパクトを裏切らず、楽曲もまたクセが強く、やはり『Duty』『GUILTY』のようなあゆ特有のダーク路線とは違い、盛りだくさんかつ奇抜な内容である。一方で揺るぎない構成も魅力で、まずはEDM調のパーティーチューン、次にここで打って変わってダークなナンバー、その次は新境地を見せ、最後に感動のバラードで締める。

CDのみ盤、DVD付属盤、DVD2枚付属盤、限定盤の「SPECIAL LIMITED BOX」でリリース。共通のDVDには4曲のPVとメイキング、DVD2枚目にはライブ「ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2011-2012 A ~HOTEL Love songs~」を収録。限定盤はDVD2枚付属盤と、同日発売であった「ayumi hamasaki 〜POWER of MUSIC〜 2011 A LIMITED EDITION」のDVDもしくはBlu-ray、グラス、コースターのセット。ジャケットはDVD2枚付属盤では四つん這いの挑発的なポーズ、CDのみ盤とDVD付属盤はバストアップでそれぞれ違うポーズである。

また、今作と過去のアルバム(ミニ、ベストも含む)合わせて18作が、PLAYBUTTONでもリリースされた。

 

〔『Party Queen』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

 

Party queen

作曲:Timothy Wellard

編曲:tasuku

 

ポップな電子音と共に幕を開けるのは突き抜けたパーティーチューン。ここからEDMが3曲続く。アルバムタイトル曲だが、曲名としては「queen」が小文字から始まる。

とにかく飲んで飲みまくる、底抜けに陽気な1曲だ。歌詞からも「目の前がバラ色」「ゴールドの泡に見惚れたい」というゴージャス感や、「世界はキラキラ光って」「世界はぐるぐる回って」というこの上ない高揚感。こういう歌詞だけ見れば、心の底からパーティーを楽しんでいる様子に見える。

アルバムの初めからこんなにハイペースで飲んでいるが、「明日の頭痛と反省は 今は忘れておくわ」という歌詞を見るに、一応ハイになった自分に対する客観性は持ちつつ、敢えて無視していると取れる。寧ろ、「ここが世界の中心でアタシがお姫様」と思い込もうとしていたり、「都合の良い事とか 楽しい事だけ」を見ていたり、「I am the party queen!」と連呼していたりする場面を見ていくうち、あまりにも空元気に過ぎるのではないか、そうまでしてひと時でも忘れたい事があるのか、と別な方向に勘繰ってしまう。「何度痛い目にあっても 負けたりしないわ」という宣言は、僅かな逃避の後でまた辛い現実に立ち向かうという決意なのかもしれない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Party queen 歌詞 - 歌ネット

 

 

NaNaNa

作曲:corin.

編曲:CMJK

 

少しミステリアスでゾクゾクする、『Ladies Night』にも通じるような曲調。けたたましいサイレン、「tick tick tick  tick tock tick」という秒針のような繰り返しや、ティミーさんのクールなラップが、楽しい宴に乗り遅れるなとばかりに駆り立てる。日本語の歌詞よりも英語の歌詞の割合が圧倒的に大きく、そのほとんどがラップの部分に相当するのが特徴。

こちらも『Party queen』同様、刹那的な享楽の中に一抹の陰がちらついている。数少ない日本語の歌詞では、「頭ん中だけで 考えてばかりいないで」「あなたがあなたで居てくれて嬉しい」「今日の失敗を引きずらないのよ」「今をめいいっぱい楽しんで過ごす事より 大切な事ってなに?」と、他のあゆ作品にも登場してきたような、この時を楽しもうとする前向きな言葉が並んでいる。一方で「昨日の後悔先に立たずよ」という歌詞を見るに、昨日何か取り返しのつかない事があったらしく、開き直っているようにも見える。更に英語の歌詞で終盤、「You’re the Party Queen(あなたはパーティークイーン)」「I’m a Lonely Queen(私は孤独なクイーン)」「Life is just a dream!(人生など夢に過ぎない!)」というフレーズもあるのだ。それまで散々人を大勢呼んだ描写があるのに、未だ孤独であり、人生の儚さを表現する。さてあゆは「You」と「I」のどちらなのだろうか。この「I’m a Lonely Queen」はティミーさん主体のラップパートの中でもあゆが歌う部分である。前曲『Party queen』では「アタシがお姫様」と思い込もうとしていたのだが。

PVでは、あゆがたくさんの仲間と合流し、ダンスをしながら何処かへ向かう様子を描いている。360°カメラの映像を組み合わせ、夜の中をそれぞれがどんな風に会場を目指していたかがユーモラスに映される。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ NaNaNa 歌詞 - 歌ネット

 

 

Shake It♥

作曲:BOUNCEBACK

編曲:CMJK

 

大胆で刺激的なリズムとサウンドで出来た作品。「女の子」の華やかで濃密な世界が描かれている。「Shake it」は「ダンスする」という意味で、ここまでは正に飲んで踊って騒いでというパートだ。

「I ♥ girls」と囁き、「女の子」だけの秘密があると教える主人公の「私」。この曲においては、集っているのは女の子だけなのだろうか。「わかりやすくてわかりにく」いところを「たまらなく大好き」、簡単な事を難しく魅せたかと思えば簡単な事を難しく魅せるところを「愛してる」と言う。「私」は「girls」に「shake it」と何度も呼びかけて煽り、「激しく乱れて」「自由になれるわ」「カウントしたら一緒にきてね 天国へそう」とこの上なくハイになっている。

ところがこの歌には、ひたすら楽し気な『girlish』、女の友情が清々しい『Ladies Night』、互いを励まし合う『Beautiful Fighters』のような、連帯する女性達を描いた作品とは違うところがある。「私よりあの子の方が愛されているなんて 口にしてくれなくてもわかってるわ」という、妙に寂しく突き放した一節が登場するのだ。「たまらなく大好き」「愛してる」という惜しみない愛情表現をしてきた「私」が、受ける愛情については誰かに敵わないと感じている描写は、聞き手に唐突に冷や水を浴びせる。わざわざそんな指摘をした相手や、「私」より「あの子」を愛している人、そして「あの子」は、「girls」の中にいる人物だろうか。華やぐパーティーで盛り上げ役になりながらも、「あの子の方が愛されている」という自覚を持つ主人公も、『NaNaNa』に出てきたような「Lonely Queen」なのだろうか。

PVは『NaNaNa』の続編といった様子で、会場についた一行が賑やかに踊り狂う。「Shake it」の歌詞に合わせて腰を激しく振る弾けっぷりだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Shake It 歌詞 - 歌ネット

 

 

taskebab

作曲・編曲:tasuku

 

恒例のtasukuさんによるインストゥルメンタル。軽快でクールなエレキギターの掛け合いに電子音が絡み合い、後半はドラムの重量感も加わる。

 

 

 

 

ブログをご覧の皆さん、あけましておめでとうございます🎍あゆりあです。

令和ももう4年目……早いですね……。

このブログは平成と令和をまたいでおります。つい最近の事のような感覚なのですが、意外と年月が経っている事に思い当たり、驚いてしまいました。

見ての通り、更新頻度がどんどん遅くなっているのもその原因でしょう……。

言い訳でしかありませんが、2021年の間に目まぐるしくライフスタイルが変わっておりまして、真面目に取り組もうとすればするほど時間が取れない状況です。

何とか早く書き上げたい一方、いい加減な記事を書く訳にもいかないので、とにかく申し訳ない気持ちだけを持ち続けています💦

 

2021年、あゆにも世界にもたくさんの事がありましたね。

2022年が平和でありますように🍀✨