黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

51stシングル『Feel the love / Merry-go-round』

EDMの楽曲を採用した両A面シングル。CDとしては『L』以来久し振りのシングルとなった。

DVD付属盤、CDのみ盤、mu-moショップとライブ会場限定のミュージックカード盤でリリース。ジャケットは、DVD付属盤は白いドレスで風に吹かれているあゆ。CDのみ盤はほぼ顔のアップ。ミュージックカードは、DVD付属盤とは違うポーズの白いドレス姿と、イラストを使用したもの2種類の計3種類。DVDには2曲のPVを収録。

 

Feel the love

作曲:小室哲哉

編曲:DJ Hello Kitty

 

軽快なサウンドとリズムで、聞く者の心をこれでもかと上向きにするEDM。DJ Hello Kittyとのコラボレーションも初めて実現した。

歌われるメッセージは至ってシンプル。「Feel the love(愛を感じて)」、それだけだ。何があるかは分からない曲がり角、「胸を痛める事やくじけそうな事」も時にはあると覚悟している。しかし主人公の「私」は「大きく笑うんだって決めたんだ」と決めた。それを踏まえれば、「どうして今が1番じゃいけない?」がただの能天気や無鉄砲ではない事が分かるだろう。『Greatful days』の「哀しみの為に楽しむ事 置き去りにしないでいて」、『glitter』の「今をただ 大事にして」など、「今」に重きを置くあゆ作品は多いが、過去は忘れようとか、未来はどうでもいいとか、そういう意味でないことはいつも作品全体から伝わってくる。

また、「正しい恋愛ってなに 迷走してない人なんている?」という歌詞からは、この明るい曲に潜ませた本音が伺えるような気がする。スターの恋愛があれこれ揶揄されやすいことは言わずもがなだが、それでなくとも、『Return Road』でも「2人の事は 2人にしか解らない」と歌ったように、第三者に本人の見ている真実はなかなか理解できない。迷走だろうと何だろうと、その時はきっと本気で愛を感じていたのだ。結果ダメになってしまっても、きっとこの歌の主人公は次の出会いに向けて「I’ll be searchin’ for my love(愛を探すよ)」と言うだろう。

PVでは、憧れに向かって様々なことに挑戦する女性がひたすら突っ走っていく様子を、時にアニメタッチも交えてコミカルに描く。そうして努力する過程が既に輝きを放つことに気づかされ、また、今やスターのあゆもこうして頑張ってきた一人なのだろうと感慨深くなる。DJ Hello Kittyも登場する。

 

 

浜崎あゆみ Feel the love 歌詞 - 歌ネット

 

 

Merry-go-round

ラップ詞:VERBAL

作曲:m-flo. UNICO. JEB (AMBUSH®)

編曲:Tachytelic aka Taku Takahashi and Mitsunori Ikeda

 

こちらもEDMだが、歌われるのは『Feel the love』とは打って変わって、終わった恋への未練がループし続ける、切ない心情である。ラップパートの作詞及び歌唱は、作曲をしたm-floのメンバーであるVERBALさんが担当している。

「僕」は離れてしまった「君」について、「どこにいて誰と笑ってる?」「何を想ってる?」と、決して今の自分には分からない事を思い描いている。「明日もまた君を描くよ」という歌詞から、まだまだそんな日々が続いていきそうな事が分かる。覚えているのは「君にまたねって手を振ったよ またなんてないって 知ってても」という別れの場面。「振り返らずに進んだよ」とあるが、その勇気をもってしてもなお、「君」への想いを断ち切ることはできないらしい。

「惹かれて行く」こと、「離れて行く」こと、両方とも「あっと言う間の出来事」と表現しているのが印象的だ。どちらもそれくらい自然に、時間を感じないうちに起きたからこそ、前者の「魔法にかけられてしまったみたい」という心地と、後者の「こわい夢でも見てるのかな」という心地の対比が強調される。「~ください」で終わる願い事には、どれほどの切なさが込められているのか。「いつかは」と「今は思い出にはまだしたくない」の間で逡巡する姿こそ、ラップ詞の「結局、忘れられない二人乗るMerry Go Round」なのだろう。

PVでは、都会の喧騒とビルの屋上で歌うあゆの場面を挟みながら、絵を描くあゆと、絵のモデルになっている男性とを交互に見せる。二人のやり取りに思われたものの真実が明かされた時、この歌の歌詞は更に胸に響くだろう。

 

 

浜崎あゆみ Merry-go-round 歌詞 - 歌ネット