黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

4thデジタル・ダウンロードシングル『Pray』

Pray

作曲:多胡邦夫

編曲:中野雄太

 

出だしのピアノからドラマを予感させ、やがて壮大に広がってゆくバラード。そこに描かれた愛を、我々はどれだけ受け止められるだろうか。ジャケットは後ろから金色の光に照らされたあゆの顔のアップ。

「逢いたいのは 今でも 君のこと愛してるから でももう二度と逢えないのは 誰よりも愛しているから」。始まりの歌詞からして、込められた想いは計り知れない。逢いたいのも逢えないのも、「愛している」ことが理由だと歌う「僕」。あゆの書くラブソングに、いわゆる恋愛の範疇に留まらないものが多い事は何度も言及してきたが、これも正にその一つ。破局してしまったとか、でもまだ未練があるとか、分かりやすい言葉で言えるような心境ではない。「君だけの 君のための幸せに」「もうあとちょっと少しだけ 手を伸ばしてみて」という、愛に満ちた祈りは、その愛ゆえに遠くから捧げられているのだ。

「君」が探しものを見つけたと聞いた「僕」は、「僕らが共に在った日々の事」を一度だけ思い出してほしいと願う。そして、「その後で その後で その心から永遠に 消してしまっていい」とも。「次に生まれ変わった時には 君を迎えに行く」というのは、同じく多胡邦夫さんが作曲した『Together When...』の「いつかまた僕は僕に生まれ変わって 君を探す度に出るんだろう」にも似ているが、今作は「ワガママ」や「勝手な約束すぎるかな」という遠慮が強調されている。現世ではもう決して一緒にいられないけれど、それでも愛は変わらない、来世の約束なんて「君」が望んでいるか分からないけれど、それでも願わずにいられない。様々な思いが深いところで一つになっているのだろう。最後に最初の歌詞を繰り返し、終わりまで想いの強さを印象付ける構成が素晴らしい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Pray 歌詞 - 歌ネット