黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

16thアルバム『A ONE』(後編)

〔『A ONE』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

The GIFT

作曲:JJ Lin

編曲:小林信吾

 

シンガポール出身のシンガーソングライター、JJ Linさんが楽曲を提供し、PVでも共演した作品。ピアノが美しく鳴り響き、未来を夢見る二人が描かれる。

あゆ作品で既にある結婚ソング『Virgin Road』では、人生の節目を前に抱いた母親への想いが切々と歌われていたが、こちらは愛を誓う相手を見つめながら、シンプルに想いを綴っている。「鳥たちは祝福のさえずり 花びらは祝いのシャワー」という歌詞から、2人がその誓いに選んだ舞台の美しい光景が目に浮かぶようだ。

幸せに辿り着いた時、思い返すのは、「決して平坦な道のりじゃなかった」という事。『Dearest』の「遠まわりしたよね 傷つけ合ったよね」、『Voyage』の「誰も皆癒えぬ傷を連れた 旅人なんだろう」という歌詞がそうであったように、その過去がより一層今の幸せを尊いものに感じさせるのだ。この歌でも「乗り越えた全ての悲しみや涙は このためだったんだと今ならわかるから」とある。どんな過去も必然として積み重なり、今につながっているのだと、あゆ作品は繰り返し歌う。

そして、「今日から2人はお互いを世界に1番幸せに するために生きて行くんだよ」と、未来への決意が語られる。今の幸せはゴールではない。「新しい人生の階段を登」り、人生は続いていく。「この愛は神様からの世界にひとつの ギフト」と歌うあゆのヴォーカルが、とても暖かい。

PVでは、結婚式に臨む一組の男女と、あゆとJJ Linさんのイメージが重なっていく。全体が白く輝く光に満ちていてJJ Linさんが奏でるピアノの上に、あゆが豪華なウェディングドレスで腰かけ歌うシーンが神々しい。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ The GIFT 歌詞 - 歌ネット

 

 

The Show Must Go On

作曲:小室哲哉

編曲:tasuku

 

アグレッシブで疾走感のある曲調に乗せて、あゆのステージにかける想いが響き渡る。ショーはやり遂げなければならない――その覚悟が胸を震わせるのだ。

「僕ら」が「君達」に会うために、いつ準備をし、走り出しているのか。その過程が、「春の息吹きを感じ 街が柔らかくなる頃」「秋が色づき始め 街が切なくなる頃」と、あゆ作品によく見られる美しい季節の表現と共に語られる。圧巻のステージを作り上げるため費やす、その時間と労力を考えれば、我々も心待ちにせずにはいられない。そして、こちらこそ素晴らしいものを見せてもらっているのに、「今日も逢えたね大好きなその笑顔」「今日も聴けたね大好きなその声」となおも歌ってくれる事には、ますます胸がいっぱいになる。「時代がどれだけ変化し続けても ずっと変わらないもの」を分かち合い、ステージは熱を帯びていく。

あゆ作品の中に多々見られる、ファンへと向けたメッセージに溢れた楽曲に、こうしてまた1曲が加わった。同じ小室哲哉さん作曲では『Love songs』収録の『Thank U』もあるが、全く違う曲調と視点から描かれているのも感慨深い。「The show must go on!!!」の繰り返しが耳に真っすぐ届いて、あゆが大好きと言ってくれた笑顔と声を、惜しみなく返したくなる。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ The Show Must Go On 歌詞 - 歌ネット

 

 

Walk

 

53rdシングル。当該記事を参照。

 

 

Movin’ on without you

作詞・作曲:宇多田ヒカル

編曲:Yohanne Simon for RedOne Productions, LCC

 

あゆとデビュー同期であるシンガーソングライター、宇多田ヒカルさんの楽曲をカバー。元は宇多田さんのトリビュートアルバム『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』の参加楽曲。好評を博したゆえの今作への再録は、発売まで伏せられ、ファンを驚かせた。

全体としては原曲の雰囲気を汲みつつ、アレンジによってR&BからEDM調になり、かつテンポが若干速くなっている。ノリノリで歌いこなすあゆのヴォーカルが心地良い。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Movin' on without you 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

※カテゴリ「コラボレーション」を、「コラボレーション・フィーチャリング」に変更しました。