黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

28thシングル『Voyage』

Voyage

作曲:CREA + D・A・I

編曲:島健

 

壮大にして華やかなオーケストラサウンド、重厚でありながら開放的に響くコーラスに彩られた、温かく美しいバラード。曲の世界観を元に映画『月に沈む』が制作され、それを更に編集したものがPVとなった。ジャケットも、森の中で白馬と共に佇むあゆが写されており、物語が始まりそうな雰囲気だ。言うまでもなく、あゆの代表作である。ちなみにタイトルはフランス語寄りに読むらしい。

人生を通じた愛を描く歌詞をバラードに乗せた作品には『Dearest』もあるが、『Dearest』は人生の哀切を見つめながらも、「遠回りしたけど辿り着いた」という境地を描き出した歌だった。一方この『Voyage』は、「僕達は幸せになるため この旅路を行くんだ」という希望に満ち溢れ、「辿り着く」のではなく、これから旅立って行くのである。

Dearest』にしても『Voyage』にしても、端的に言えばラブソングということになるのだろう。しかしあゆの書く「ラブソング」は、例えば片思いが両思いになるといったものだけではなく、様々な場面や心境に置き換えられるものが多く見られる。人生を共にする相手には、恋愛の枠を超えたもっと大きな「愛」を抱くのだ。

『Voyage』の歌詞は分量としては多くないが、その少ない言葉が広い行間への想像を掻き立ててくれる。「眩しい海焦がれた季節も 雪の舞い降りた季節も」というところは、単に夏や冬と言う以上の想いが感じられるだろう。「ほら笑顔がとても似合う」や「共に行こう飽きる程に」と、「あなた」への惜しみない愛を、面映ゆさも含みながら伝えている。極めつけには、「誰も皆~旅人なんだろう」といういつものあゆの共感を呼ぶフレーズもしっかり入っている。この愛の物語に、聞き手はただ感動するほかはない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Voyage 歌詞 - 歌ネット