黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

34thシングル『CAROLS』

CAROLS

作曲:木下智哉

編曲:CMJK

 

冬の寒空に輝くように響く「聖歌」のような作品。サビはロックテイストだが、基本的にはピアノを中心とした、しとやかなバラード。ジャケットは夕映えをバックにブランコに乗るあゆ。PVでは、観客のいない舞台に立つあゆがモノクロで映る場面と、雪がちらつく中でキラキラとしたメリーゴーランドに乗るあゆがカラーで映る場面とが交差する。いずれも登場はあゆ一人。

想いを寄せ合う二人。何気ない出会いから、徐々に仕草一つ取っても愛しくなっていく様子を、「何だか懐かしいね」と振り返る。そうして二人が共に過ごした季節は、今振り返るとあっと言う間だったようだ。未来の眩しさ、許したいと思う過去、様々抱えながら、「どんな君であっても いつも受け止めるよ」と主人公は呼びかける。

「私これからも 困らせてばかりかもしれないけど」「こうして君の事が 大事で仕方ない私でいたい」という歌詞は、『Voyage』でも見られたような愛しさと面映ゆさが混じった表現で、聞き手の胸をきゅんとさせる。また、単に「冬」と言わず「白い雪」という言葉を用いたことで、冬の美しいイメージや二人の想いの純粋さがそこはかとなく演出される。これも『Voyage』でも見られた季節の表現だ。

あゆ作品の冬と言えば、シングル曲では『appears』『M』『No way to say』、アルバム曲では『POWDER SNOW』、『Because of You』と、いずれも切なく厳しい冬が思い浮かぶ。今作は、寒さの中でこそ二人の間の温かさが分かるような冬に辿り着いたようだ。強いて言えば、直接「冬」を表す言葉はないものの、あゆがクリスマスソングだと言った『Close to you』が近いだろうか。いずれにしても、あゆが描き出す二人の様子は、聞き手の心をも温めるだろう。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ CAROLS 歌詞 - 歌ネット