黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

限定ダウンロード楽曲『Tell All』

5カ月連続リリースの特典として限定でダウンロード出来る楽曲。2023年現在、オリジナル音源の一般商品化は行われていないが、ライブ音源はライブ・アルバム『ayumi hamasaki 15th Anniversary TOUR 〜A BEST LIVE〜』で聞く事が出来る。また、16thアルバム『A ONE』のファンクラブ限定盤には「2015 mix」が収録されている。

 

 

Tell All

作曲・編曲:中野雄太

 

デジタルサウンドのロックで、サビの畳みかけるようなリズムが特徴。曲調の起伏の激しさ、リズムの力強さなどは、同じく中野雄太さん作曲・編曲の『decision』や『Mirrorcle World』も彷彿とさせる。

闇に潜むような雰囲気で描かれるのは、「君」の状況を慮り、真摯に向き合おうとする「僕」の姿だ。「闇の深さ」、「風の強さ」。「君だけにしか分からないことは きっとたくさんある」と「僕」は理解している。元よりあゆ作品では、どれほど大切な相手でも全て分かり合うことはできないが、だからこそ伝え合おうとすることが大切だと繰り返し歌われてきた。「Tell All(全てを教えて)」というタイトルには、その気持ちが表れているのだろう。触れられない「君」の苦悩を思いやってこそ、2番で「僕」は「君には何の気負いもなく 幸せだよと言って欲しい」と願う。

想いを一気に解放するような曲調と、あゆの叫ぶようなヴォーカルで歌われるサビでは、「後悔してるだけじゃ 過去は許されない」という歌詞がある。そして「過去を許せないなら 現在(いま)さえ微笑んではくれない」と続く。『again』収録の『Ivy』にも通じるような信条だ。また、「何も始まらなきゃ 失う痛みさえもわからない」という歌詞の壮絶さにも驚く。失う痛みさえも必要だとあゆは歌うのだ。「君を愛するため 僕はこの戦いを選んだ」「僕が君の生きる証になってみせるよ」。痛みを知ってこそ、躊躇わずに未来の叫びに向かっていく決意を「僕」は強くしていくのである。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Tell All 歌詞 - 歌ネット