黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

1stアルバム『A Song for ××』 (前編)

「エイ・ソング・フォー」と読む。「××」には、誰の名前を入れようか。

どんな色にも染まっていない1stアルバム。あの「A」のロゴもまだ表れていなしいし、歌詞カードに写るあゆは静かな1日を送っている。ヴォーカルはまっすぐで、あの個性的な歌い回しはまだ出てきていない。だけどあゆらしくないかといえば、そんなことはない。今に至るまで変わらないあゆの想いは、確かにこのアルバムから貫かれている。

 

〔『A Song for ××』の記事 【前編】 【後編】

 

Prologue

作曲・編曲:星野靖彦

 

インストゥルメンタル。歌詞カードのあゆの一日になぞらえれば、心地よく目覚めを導いてくれそうな曲。

 

 

A Song for ××

作曲・編曲:星野靖彦

 

アルバムの名前を冠し、インストを除いて最初の歌。歌手“浜崎あゆみ”の始まりはこの歌ではないかと思わずにはいられない。デビュー曲の『poker face』を差し置いてでも。

「居場所がなかった」「一人きり」という孤独感。「いつも強い子だねって言われ続けてた」「泣かないで偉いねって褒められたりしていたよ」という、一歩間違えれば幼く聞こえかねない言い回し。子供時代までさかのぼりそうなほど過去形の歌詞だけど、あゆはキャリアを通じてよくこの歌を歌っている。「どうして」と繰り返すたくさんの疑問を、そのたびに問いかける。

胸の内を刺さる言葉でいつも歌うあゆ。その姿が、この歌に象徴されているように思えるのだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ A Song for X X 歌詞 - 歌ネット

 

 

Hana

作曲・編曲:星野靖彦

 

A Song for ××』に続いて、グサグサ刺さってくる歌。「花」を扱っているからといって、華やかさやかわいらしさを勝手に想像していると、不意打ちを食らう歌詞だ。

一人くらいは自分を探してくれるだろうか、話を聞いてくれるだろうか……あまりにも不安で、自信のない問いかけだ。そんな中で目にとめた花。時に愛され、時に踏まれ、それでも咲くためにはどんな勇気が要るのだろう。

様々な質問を、あゆは「あなたが咲くのなら」とやめてしまう。花に問うことにむなしくなったのか、それとも問いかけより自分を咲かせることについて考え始めたからなのか。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Hana 歌詞 - 歌ネット

 

 

FRIEND

1stシングルのカップリング。当該記事を参照。

 

 

FRIEND

作曲・編曲:五十嵐充

 

FRIEND』のかわいらしさから一転、シリアスな曲調。失いかけている友情に気付き、どうか間に合ってほしいという切実な歌詞が綴られている。

相手が自分にしてくれたくらいのことを、自分は相手に返しているだろうか。それどころか、相手の傷に気付かないままなのではないか。思い当たった時にヒントになりそうな歌だ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ FRIEND II 歌詞 - 歌ネット

 

 

poker face

1stシングル。当該記事を参照。

 

 

Wishing

作曲:桑原秀明

編曲:本間昭光

 

大切な人への想いを語る。これまでのこと、その人の幸せを願う気持ち。分かりやすい言い回しを徹底した、飾らない健気さが響く。メジャーとマイナーを行き来するような感傷的なメロディーに乗せて、ゆっくりと噛み締めるように歌い上げられている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Wishing 歌詞 - 歌ネット

 

 

YOU

2ndシングル。当該記事を参照。

 

 

再考:『A Song for ××』(前編)