黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

4thアルバム『I am...』(前編)

CREA名義で作曲を手掛けた作品がほとんどで、そしてその多くはハードなロックナンバー。「ロックなあゆ」を象徴するアルバムとなった。ジャケット及び歌詞カードでは、ツタを全身にまとったあゆが、白い鳥を連れて青空の下の砂漠を放浪している。

作曲への挑戦、ほぼ2ヶ月ごとに出した5枚のシングルとチャリティー・シングルのリリース、ベストアルバム発表、そしてこのアルバムの制作と、当時の活動はあまりにも多忙で凄まじいものだった。過酷な環境の中、あゆにとってオアシスたるものはあったのだろうか。想像を絶するような過程を経て、個性豊かな作品の数々を送り出したことには、ただただ圧倒される外はない。

 

〔『I am...』の記事 【前編】 【中編】 【後編】〕 

 

I am...

作曲:CREA

編曲:Tadashi Kikuchi + tasuku

 

「ちゃんと聴いてて」「私は此処にいるの」。振り絞るように切々としたアカペラから始まる、アルバムタイトルを冠した作品。歪んだギターが響くスローテンポのロックサウンドは、全体としてはくぐもった印象で、サビ部分で急に強く激しいものになる。

「時間(トキ)に追われて 半ば無理矢理」「生き急ぐ」と、当時の忙しさを物語るかのような歌詞が並ぶ。体力も気力もきっと随分消耗したことだろう。「時間の過ぎ行くままに身を委ね 流れ着くのは」と、何かに巻き込まれたかのような歌詞もある。目まぐるしい時には、例え自分でちゃんと決めて進んできた道でも、流されているような気分になるものだ。「滑稽ですか 笑ってよ」「許されますか 教えてよ」という自嘲気味の言葉が哀しい。

サビでは、「名前を呼んで欲しいの」「大丈夫だって頷いて欲しいの」と求めたり、「こんな物が欲しいわけじゃないの」と拒否したり、「この手握って」と言ったかと思えば「どうか放して」とも言ったり、様々な感情がないまぜになっている様子が読み取れる。過ぎて行く日々の中で、自分の一番の願いを必死に模索しているようだ。

消えゆくような最後のサビは、「私はずっと たったひとつの言葉を探してる」と締める。あゆはその言葉に辿り着きたくて、歌詞を書き続けるのだろうか。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ I am... 歌詞 - 歌ネット

 

 

opening Run

作曲・編曲:CMJK

 

インストゥルメンタル。タイトルの通り、駆け出していくような曲。幕開けは『I am...』のはずだが、さっきまで苦しい本音を打ち明けていたことを一旦リセットするかのようだ。この後はアップテンポのノリのいい作品が続く。

 

 

Connected

作曲・編曲:Ferry Corsten

 

このアルバムで唯一のトランス系の楽曲。言葉遊びのように、意味がつながっているようないないようなカタカナの歌詞が続く。

言葉は人をつなぐ。投げかけた言葉を「君」が受け取って考えてくれたなら、それはもうつながり。一生の間に「とっておきの言葉」をいくつ交わせるか。歌い手として、また作詞家として、あゆにとって「言葉」がいかに大切なものかは言うまでもないだろう。いつも「とっておきの言葉」を探し、紡ぎ、音に乗せてくれる。

この曲にはPVがあり、近未来的でSFチックなアニメーション作品となっている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Connected 歌詞 - 歌ネット

 

 

UNITE!

23rdシングル。当該記事を参照。

 

 

evolution

20thシングル。当該記事を参照。