黙ってayuを聞け

浜崎あゆみさんの歌 とりわけ歌詞の魅力を語るブログ

コラボレーション・シングル『Dream ON』(「URATA NAOYA feat. ayumi hamasaki」名義)

12thアルバム『Love songs』と同時発売されたコラボレーション・シングル。AAAの浦田直也さん名義の作品であり、あゆはプロデュース及びフィーチャリングという形で共演。

発売形態はCDのみ盤、DVD付属盤の2種類。CDのみ盤にはDVD付属盤のCDにはないリミックスが収録されている。DVDにはPVとメイキングを収録。ジャケットは、ボクサーの構えをする2人。浦田さんが左側、右奥からあゆが鋭い目で覗く。CDのみ盤とDVD付属盤では映している角度が違う。

 

Dream ON

作曲:原一博

編曲:CMJK

 

軽快なリズムを刻みながらも攻撃的な空気を研ぎ澄ますR&Bの楽曲は、『STEP you』『Startin’』などを手掛けた原一博さんによるもの。浦田さんとあゆの声が激しく戦ううちに絶妙なハーモニーに昇華する。

あゆの綴った歌詞には二人の対話が描かれ、一人がもう一人を鼓舞しているように聞こえる。「愛されたいとか思ったなら 一体どうすりゃいい」という問いには、フィーリングやタイミングを外さず合わせていくことを「愛とか言う気?」と逆に問い返す。愛がそんな表面的なものではない事は既に分かっているはずだ、と暗に諭しているかのようだ。また、誰かが扉を開けて背中を押してくれるはずだ、という予想には、「とっくに開いてる」と突き付ける。自力で開けろ、という段階ですらない言葉の切れ味にも圧倒されるが、逆説的にはこの厳しさにこそ「背中を押される」だろう。

サビの歌詞は英語で歌われる。誰もが自由なのだ、何処へ行くのも、何をするのも、と。自由――だから、立ち止まっているのも、諦めるのも、あるいは前に進むのも、全て自分次第だと気付かされる。英語の歌詞がリズミカルに響くが、最後のサビでは日本語の歌詞になるのもまた憎い。日本語で歌う「闘う理由はただひとつ 愛を守るため」という叫びは、初めに「愛」について問答していたこととも相まって、この上なく強調されて響く。その後、「Dream ON」という歌詞が、夢を追い続けるまさにその姿を示すかのように何度も繰り返される。

PVでは、町の片隅に作られたリングの上で浦田さんとあゆが、観衆に囲まれながらダンスバトルを繰り広げる。歌詞の通り2人のエネルギーがぶつかり合う様子に、夜の闇と浮かぶライトが緊迫感を与えている。

 

 

歌詞リンク:URATA NAOYA feat. ayumi hamasaki Dream ON 歌詞&動画視聴 - 歌ネット

 

 

※『Love songs(前編)』の記事に、『Dream ON』についての記述を加えました。

12thアルバム『Love songs』(後編)

〔『Love songs』の記事 【前編】 【中編】 【後編】 〕

 

Sweet Season

50thシングル。当該記事を参照。

 

 

overture

作曲・編曲:中野雄太

 

インストゥルメンタル。穏やかで、時に感傷的なメロディーを奏でつつも、徐々に湧き上がる気持ちを抱いて飛び立つかのよう。アルバム終盤でありながら「始まり」「序曲」を意味するタイトルのこの曲の次には、「もう一度繰り返す」歌が控える。

 

 

do it again

作曲:小室哲哉

編曲:中野雄太

 

「dance dance dance do it again」「sing sing sing do it again」という歌詞が幾度となく繰り返されるのが最大の特徴である。Bメロで焦りが募るかのようにリズムの刻みが早くなるが、全体的には淡々と続いていく印象だ。

歌詞は「君」に呼びかける形で書かれている。「君がいつかに描いた 夢をまだ覚えてるかな」「それは君の心ふっと 温めてくれるのかな」。そんな問いと共に語られるのは、夢と現実を巡る葛藤である。夢を諦めるのは悲しいと思いつつも、それだけじゃない事も増えてゆく。一方、手放すのも勇気と知っていても、やはり簡単ではない。そんなせめぎ合いは、「夢だけじゃ、、、 夢だけが、、、」という曖昧に言い残す一節にこそ、最も強烈に表れている。「君」との間には距離があるようだが、その人に向けて問う形なのはひょっとして、主人公にとって届かない、けれど手放せもしない夢の一つが「君」だからなのかもしれない。

そんな主人公が「dance」と「sing」を延々と繰り返す。あゆが歌うのも踊るのも何もおかしくはないが、この無感情にも聞こえる反復は一体何だろうか。運命に導かれて歌手になり、地位を確立し、様々な挑戦をものにしてきたように見えるあゆは、その過程でどんな夢をどのくらい描き、叶えてきたのだろう。目に見えるものだけで、全てを叶えた人だと決めつけるのは第三者の視点でしかない。そしてその取捨選択がどうであろうと、あゆは何度でも歌うのだ。

PVは、災害の後なのか荒廃した町を、あゆが大型犬2頭を連れてひたすらに歩いていく。周りの景色や物の方に視点を置いて画面が動くカメラワークが独特である。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ do it again 歌詞 - 歌ネット

 

 

November

作曲:小室哲哉

編曲:CMJK

 

そこはかとなく冷たい秋風のように、切ない予感のあるバラード。ハーモニカの音がノスタルジックで感傷的な印象を見せている。2番の後からラストサビにかけては転調を含むドラマティックな展開もある。

歌詞にあるのは、どこか儚さが漂う情景だ。夜、「あなた」の「長いまつ毛」や「少し長く伸びた前髪」を愛しげに見つめながら、「私」は「運命の相手」について思いを巡らせる。誰しもにとって必ずいるはずの「運命の相手」は、しかしほとんどの人は見つけられないという。

ここで注目すべきは、「私」と「あなた」は互いの「運命の相手」である、とは言っていない事だ。「信じて傷つくのを 怖がっているそのうちに 通り過ぎて行く」ことすらままある中で、その確証を持つ事は難しい。そもそも、あゆ作品の中で「運命」がどう語られてきたかも忘れてはならないだろう。『LOVE ~Destiny~』や『fated』で別離を、『HEAVEN』で死別を「運命」と呼んだように、「運命の相手」とは巡り合わせの末に出会った大切な人ではあるが、ハッピーエンドまでは保証されていない。だから例え「私」と「あなた」が運命の相手同士でも、この先どうなるかは分からないのだ。

「私」は自分に「もうひとつの翼が生えて(中略)空をはばたけたなら」という想像をする。「もうひとつ」というのは、今の時点では片翼だという事だが、「私」はもう飛び立てなくなるほどの傷を過去に負ったのだろうか。そして、もしはばたけたなら、「あなた」の肩に優しく舞い降りたいと願うけれど、最後には「どちらもあなたへ捧げたい」とも思う。「好きな所へ飛んで行けるように」と。『Endless sorrow』のように「一緒に...」という境地ではなく、『Moments』にも似た自己犠牲がある。

「運命の相手」と感じたら手をはなさないで、失うことに慣れた人はきっと居ない、と「私」は言うけれど、「私」の手をはなさないで、とは言わない。「あなた」が「運命」を確信するのが自分でなかったとしたら、飛び去って構わない、と言いたいのかもしれない。これが、飛び立てない身で「もうひとつの翼」を仮定した上での話に過ぎない事が、ますます物悲しい。

11月の風はやがて、厳しい冬を連れてくる。「私」の静かな愛はどこへ向かうのだろうか。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ November 歌詞 - 歌ネット

 

 

Virgin Road

50thシングル。当該記事を参照。

  

 

SEVEN DAYS WAR

 

49thシングルのカップリング曲。当該記事を参照。

初回盤と数量限定盤には「Live at Yoyogi on Oct.11.2010」のライブ音源を収録。ライブ音源では、歌声からだけでもあゆが感極まる様子が伝わって来る。

 

 

ご無沙汰してます

いつもブログを読んで下さっている皆さん、ご無沙汰しています。あゆりあです。

 

こんなに期間が空いてしまって、もしかしてご心配かけてしまったでしょうか?

大丈夫、私は元気です。

 

何故空いてしまったのか。忙しさのせい、と言うと本当に言い訳になってしまいますが、それに加えて実は……ずっとPCの調子が悪いのです💦

 

携帯電話での投稿というのはちょっと無理で、このPC以外で投稿が可能なデバイスもありません。ですのでやはり、PCを何とかしないといけないという事です。

 

使った年数から言えば買い替えてもいいのかも知れませんが、修理できるならしたい気持ちもあり、しかし修理するとなるとファイルの整理なども必要で……。

調子が悪いと言っても使えない事もないですし、未だに思案中なのです😥

 

 

ひとまず、明日はアルバム『Love songs』の記事を完結させます。それ以降は多少書き溜めてはいますが、どうか気長に見守っていて下さい。

 

 

 

 

12thアルバム『Love songs』(中編)

〔『Love songs』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

 

insomnia

作曲・編曲:小室哲哉

 

インストゥルメンタル。無機質に刻まれるリズムに、時折ピアノが滴り落ちる雫のように鳴り響く。タイトルは「不眠症」という意味。どことなく緊張感のある空気には、あからさまな悪夢とは違う不穏さがある。

 

 

Like a doll

作曲:小室哲哉

編曲:CMJK

 

ピアノと共に、ゆっくりと噛み締めるようなサビから始まる。「少しでもいい 聴かせて」という問い掛けの後、曲はテンポが速くなるが、曲調はあくまで抑制的、シンプルでクールである。それは、歌詞に描かれている「君」の、「心の声を閉ざした」様子と重なる。「Like a doll」というコーラスの繰り返しが淡々と響く。

笑顔は「仮面を貼り付けて」演出し、涙はフェイクに見せる。はしゃいだりおどけたりしながら、こっそり背中を震わせている。何を隠すための笑顔だったのか、涙を流した本当の理由は何だったのか。いずれにしても、「君」が相手に本心を悟られないようにしていることには変わりない。愛する気持ち、敬う気持ち、諦めない心、信じる心。そんな人間としての感情を捨てて、ただ人形のように、ずっと同じ笑みを浮かべていればいい。そうすれば傷つかずに済むから。ただし「喜びもないけれど」。冒頭で主人公は「君」の過去にある悲しみを想像しているが、二度と悲しみに出会わないために、喜びをも諦めてしまったのだろうか。

しかし、そんな「君」の様子は単なる周囲へのポーズに留まらず、「君」自身をも欺いていることを主人公は見抜いている。人間らしい感情を忘れてしまうなんて、「出来ないことにそろそろ 気付き始めているんでしょう」と。そして、「死んだように生きないで」と呼び掛ける。

テーマが似通っている楽曲として『GUILTY』収録の『Marionette』が思い浮かぶが、『Marionette』が自分自身と向き合い意志を強く持とうとするのに対して、こちらは他者や世界との関わりを問う側面が強いのではないだろうか。心を外へとさらけ出せば時に傷付くが、喜びに出会うこともある。『Love song』でも、例え苦難があったとしても譲れない想いのない人生はつまらない、と歌ったように、悲しみを避けるために喜びまで失うのは「死んだように生きる」ということ。誰かや何かを愛し、信じる心は、人間である以上、なくせはしないのだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Like a doll 歌詞 - 歌ネット

 

 

Aria

作曲・編曲:中野雄太

 

インストゥルメンタル。ストリングスのメロディーが感傷的な美しさを奏でる。ふわりと漂うようなコーラスが加わった後、何か素晴らしいものが待ち受けるような期待感が徐々に湧き上がる。

 

 

 

blossom

48thシングル。当該記事を参照。

 

 

Thank U

作曲:小室哲哉

編曲:中野雄太

 

あゆとファンが一つになれる歌の数々に連なる1曲。シンプルな構成ながら、真っ直ぐな想いに溢れた作品だ。曲調も疾走感と高揚感の掛け合わせで出来ていて、明るく軽やかである。

歌を通して貫かれているのは、「かけがえのない一日を君と分け合えた」という実感である。君が君で居て、生きてきたその一日を分け合えた。そのことに対し、惜しみなく感謝を伝えている。「聴こえているよ」「映っているよ」と、応援する一人一人の想いを確かめるように綴っているのだ。あゆがそんな気持ちでステージに立つからこそ、ファンもまたますます応援する。その互いのやり取りがまさに、同じ時間を「分け合う」ということだろう。何度も繰り返される「lalalala」はあゆとコーラス及び聴衆の掛け合いになるように作られているが、この具体的な言葉のない高らかな声のやり取りに、限りのない「ありがとう」が満ちている。

この感覚の裏にある価値観は、「明日が来る事への 確約なんてないから」という歌詞に端的に表れている。『RED LINE ~for TA~』で、今日という日は誰かが諦めたくなかった明日である、と示したように、この日のステージも、それを観に来るお客さんも、決して当たり前に存在しているものではないのだ。そうして迎えることのできた貴重な時間は、その時限りのものでもある。二度とない刹那、様々なことを乗り越えてファンと共に生きていると感じながら、あゆは歌うのだ。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Thank U 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

今日はあゆのデビュー日です。おめでとうございます🎊

早速嬉しいトピックも聞こえてきますね。

 

一方の私と言えば……この有り様です。言い訳のしようものない😢。

見捨てずに見守って下さる読者の皆さんには感謝とお詫びしかありません。

12thアルバム『Love songs』(前編)

収録曲の多くを小室哲哉さんが手がけたアルバム。前作『Rock’n’Roll Circus』のダークなハードロックとはがらりと雰囲気が変わり、軽快なシンセポップの色合いが強い。そうした曲調から言えば、48thシングルの『MOON』『blossom』が星野靖彦さんからの久しぶりの提供だったことも含め、初期のあゆを思い起こさせるアルバムである。とは言え、歌詞も合わせて表現されるのは紛れもなく今のあゆだ。印象的なフレーズを何度も繰り返す楽曲ばかりなので、気が付けば口ずさんでしまう歌が必ず見つかるだろう。

DVD付属盤、CDのみ盤、USBとmicroSDとDVDがセットの数量限定生産盤の3形態でリリース。DVDにはシングル含む8曲分のPVと、7曲分のメイキングを収録。USBには日本人アーティストとして初めてCDよりも高音質なデータで楽曲が収録された。microSDにはPVのみを収録。ジャケットは、柔らかなコーラルピンクの光に包まれたあゆの顔のアップで、形態によって視線の方向が違う。

コラボレーション・シングル『Dream ON』と同時発売。

 

 

〔『Love songs』の記事 【前編】 【中編】 【後編】

 

Love song

作曲:小室哲哉

編曲:中野雄太

 

実質的なアルバムタイトル曲であるこの作品には、11thアルバム『Rock’n’Roll Circus』のリード曲『Microphone』に続いて、あゆの歌い手としての矜持が表現されている。ラブソングと言えば普通は恋愛の歌だが、ここで歌われるのは恋愛には留まらない、「ゆずれない想い」だ。

「愛のない 人生なんて そんなの 生きる自信ない」。冒頭からストレートで力強い歌詞が心をぐっと掴む。何を大切に生きていくのか、その迷いのなさが二重否定の文に現れているのだ。ここで注目すべきはやはり、人生に必要なものとして「愛」、「夢」と同列に語られるのが「歌」であること。「歌のない 人生なんて そんなの 見当もつかない」と、あゆは声を張り上げて歌う。かつては歌手になるとは思っていなかったあゆにとって、今や歌は人生になくてはならないものになったのである。

大切なものを大切にしながら生きてゆくことは、簡単ではない。そんなことは分かっている。諦めた方が楽だ。それでも、「ゆずれない想い」のない人生は意味がない――きっぱり言い切る姿勢はこの上なく感動的で、思わずこちらも背筋が伸びる。更には「守りたいものがありますか?」「失ったものはありますか?」という問い掛けに立て続けに揺さぶられ、決して気が抜けない。

繊細なピアノと切なげなギターが絡むサウンドに乗せる歌の旋律は2種類だけ、その2種類に当てた歌詞が二重否定と問い掛けで出来ているというシンプルな構成だが、豪奢な『Microphone』とはまた違ったドラマと説得力がある。同じ言い回しで畳みかけながら、ストリングスが更に盛り上げ最高潮へと引き上げる。壮絶な決意が強い印象を残す作品となった。

PVでは、あゆはパートナーの男性と言い争いをし、部屋を出て行く。一方、その男性と共に強盗を働くもう一人のあゆも登場する。どちらが現実か分からないまま二組は交錯し、歌っているあゆだけが独立した場面として出てくる。『Virgin Road』、『Last angel』のPVと繋がっているが、時系列はぼかしてある。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Love song 歌詞 - 歌ネット

 

 

crossroad

49thシングル。当該記事を参照。

 

 

 

MOON

48thシングル。当該記事を参照。

 

 

 

sending mail

作曲・編曲:小室哲哉

 

メールやメッセージのように、文字情報を即座にやり取りすることは一般に気軽な手段と思われている。けれど、相手に過不足なく想いを伝えること、やはりそれは手段を問わず難しいものなのではないか。「ためらって 溜め息ついて 消去して 最初から打ち直して だけど 結局送信押せなくて」。言葉は難しいとたびたび歌うあゆは、メールを送るにもこれほどの苦しみを味わう。

太陽に置いていかれて「闇に投げ込まれた」と感じる時間帯。「私」は「あなた」へのメールを綴り始めるが、自己嫌悪に陥っていく。優しい月明かりでさえ淋しさを隠すことはできない。

本当なら「目と目合わせて 伝えたい」ところ、メールを送るしかない状況だ。けれど遠回しな言葉を選ぶほど、まっすぐで飾らない「あなた」の側に居られる日が来る確信が持てなくなっていく。かと言って声を聞いてしまって逢いたくなるのもこわい。「私」はメールを書き直し続け、時間は過ぎていく……。

美しいピアノで始まったと思いきや、スリリングなリズムに変わる楽曲は、サビでは同じメロディーと同じ歌詞を4度、被せ気味に繰り返す。それは主人公の逡巡を表すかのようで、聞き手は駆り立てられていく。伝えたい想いと伝えられない弱さが渦巻いた末に、どんな文面が出来上がったのか。メールの行方、二人の行方。気になるところである。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ sending mail 歌詞 - 歌ネット

 

 

Last angel

 

50thシングル。楽曲については当該記事を参照。

初収録となったPVでは、あゆと恋人の男性が仲睦まじくしているが、あゆが時々別な女性にすり替わる。そして状況を俯瞰するかのようなもう一人のあゆがいる。どこかサスペンスの雰囲気が漂い不安感が煽られそう。『Virgin Road』、『Love song』のPVと繋がっているが、時系列はぼかしてある。

 

 

 

 

 

今日はバレンタインデー💘。その日に『Love songs』の記事を上げることが出来ました。

日付が変わる直前に大きな地震がありましたが、皆さんは大丈夫でしたか?せっかくのバレンタインが台無しになってしまい、甘いどころか苦い想いをした方もいらっしゃるかも知れません。

それでも生きる限りは愛を持ち続けましょう。

50thシングル『L』

前作からわずか一週間後にリリースされ、遂に50枚目に到達したシングル。トリプルA面。DVD付属盤とCDのみ盤が2種類ずつの計4形態で、収録された曲順やリミックス、PVのメイキング映像に違いがある。ジャケットは自分の顔の仮面を持つあゆで、仮面の方は目を閉じている。DVD付属盤はほぼ顔のアップ、CDのみ盤はピンクのチュチュ姿で座っており、やはりそれぞれの形態で違う写真を使っている。

 

 

Virgin Road

作曲:小室哲哉

編曲:中野雄太

 

DVD付属盤の1つはこれが1曲目。

ピアノとストリングスがゆったりと美しく、終盤のオルガンは神々しく、全体にそこはかとない切なさのあるバラード。あゆの言葉によってウェディングソングへと仕上がった。

歌詞から分かるのは、これは結婚する相手についてではなく、自分を育てた母への感謝を歌った作品であるということ。冒頭、「愛」に辿り着くまでに「孤独や痛みや罪」があるが、「その全てに心からありがとう」と言っている。そして更に「この命をありがとう」とも歌う。命あってこそ出会う愛、その道程にあったものは、「孤独や痛みや罪」にすら感謝するのである。

「自分を大事に出来なかったあの日 傷ついたのは私なんかじゃなかった」という回想から、どれだけ母が「私」を愛し、そしてどれだけ「私」がその愛を感じてきたかが伝わってくる。これから共に歩き出す、愛する人との誓いはそのまま、「誰よりも理解してきてくれた」母への誓いでもあるのだ。「これからもずっとありがとう」と、感謝はこれから先にも続いていく。

聞き手の胸を最も締め付ける一節は「貴女がいつかのその昔 出逢い愛したあの人と 私が愛している人は どこか似てる様な気がします」であろう。「私」と「貴女」、そして「あの人」という距離の関係性。愛する人と「あの人」が似ていると気付いたときの涙は、一体どれほどの想いが込み上げたものなのだろうか。母に見守られ、感謝を忘れず、「私」は愛する人と新たな道を行く。

PVではウェディングドレスをまとったあゆと相手役の男性が登場する。ただし穏やかな内容ではなく、二人は新郎新婦の姿で銃を乱射し、白昼堂々強盗を働く。『Last angel』、アルバム『Love songs』収録の『Love song』のPVと繋がっているが、時系列はぼかしてある。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Virgin Road 歌詞 - 歌ネット

 

 

Sweet Season

作曲:槇原敬之

編曲:小林信吾

 

DVD付属盤の1つはこれが1曲目。

温かな日向にいるように心地良い楽曲は、槇原敬之さんから提供されたものである。歌詞もその曲調に寄り添い、優しくやわらかい言葉で満ちたものとなった。

綴られた春夏秋冬は、どれも「僕ら」の思い出をその季節らしく飾っている。それもただ美しいだけではない。桜は儚く、太陽は刹那に照り付ける。落ち葉が舞い散る様子は切なく、寒さには指先が震える。どの表現にも、過ぎてしまえば一瞬だったその時間のなかに、どれほど様々な想いと経験があったのかが描かれているのだ。振り返ると「あなた」とどんな風に一緒だったのか、噛み締めるほどしみじみと感じるものである。

「あなた」の涙も笑顔も、主人公は「光っている」と言い表している。何もかもが上手くいっていたから「光っている」のではない。良いことでもそうでないことでも、それぞれの季節の表現にあったような全ての経験が今の「あなた」を光らせているのだ。そして主人公は、そんな「あなた」が歩き出すのを見送ろうとしている。懐かしむ想いがありながらも、未来に向かっていく「あなた」への眼差しは優しいものに違いない。『Virgin Road』で旅立つ側の心境を描いたのと、ちょうど対象的な作品と言えるだろう。サビの終わりの「きらきらきら」が、あゆの丁寧なヴォーカルで彩るように余韻を残してくれる。

PVでは、あゆは大家族のお母さん。たくさんの子供達と、豊かで幸せな時を過ごす様子が、温かくやわらかな光の中で描かれる。海外にルーツを持つと思われる子供達が日本語の歌詞を揃って歌うシーンは印象的だ。ただし、ラストに意外な展開が残されているので、最後まで目を離さずにいよう。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ Sweet Season 歌詞 - 歌ネット

 

 

Last angel

作曲:小室哲哉

編曲:CMJK

 

CDのみ盤の1つはこれが1曲目(もう1つはリミックスが1曲目)。

ストリングスの静かで流麗な始まりから、緊迫したリズムを刻む曲調へと変わり、螺旋階段を下ったり上ったりするかのようなメロディーを繰り返す。そのメロディーに合わせるように、「~から」や「~ね」など、語尾を揃えた言い回しで畳みかける歌詞が乗っている。言葉は断片的な印象があり、聞けば聞くほど、主人公を駆り立てるものの正体を知りたくなる。

冒頭から主人公は「あなた」に「聴こえているよね」「伝えておきたい」と呼びかける。鳴り響いている「鐘の音」は終わりを告げるものだと言うが、それでも「悲しい音色 なんかじゃない」らしい。「泣いていたね 叫んでいたね 声になってなかったね」と感情の迸った経験を語り、「夢じゃないから」と確かめる。かつての後ろめたい恋、その相手こそ「あなた」なのだろうか。「間に合うかな」と焦りながらも、主人公は振り返らず「前に進むしかない」と言う。「二度と逢えなくても」という覚悟を携えて。

「たったひとつ 最後のひとつ」の愛。それは二度と逢えないから失われてしまうものではなく、むしろ今でも「見てて欲しい」「逃げないから」「側にいるよ」と思えるほど確かに息づいているものである。だからこそ主人公は、終わりの鐘さえ合図にして、振り返らずに前に進めるのかもしれない。「天使が笑った」とはどういう意味だろう? 自分の行くべき道――天命が分かるような体験だったのだろうか。分かってしまったがために後ろめたい恋を終わらせ、「あなた」と別離することになったのなら、何と切ない道だろう。それでも「あなた」が諦めないでいてくれると信じ、突き進んでゆくのである。

PVはアルバム『Love songs』に収録されている。

 

 

歌詞リンク: 浜崎あゆみ Last angel 歌詞 - 歌ネット

 

 

 

 

皆さん、あけましておめでとうございます。

……と、1月も過ぎて言っているのはおかしいのですが、これが今年の初投稿なので、そう言わせて下さい💦

今日は2月2日ですが、124年ぶりにこの日付が節分になったそうですね。未だ続いている不安な日々が早く終わるように、そしてたくさんの幸福がやってくるように祈りましょう。

出来れば私の遅筆癖も外にぶっ飛ばしたいです……。

49thシングル『crossroad』

50thシングルに向かう第2弾。KEIKOさんとのデュエット『a song is born』で楽曲を提供した小室哲哉さんが、今度はあゆ単独と組んだ。

DVD付属盤と、2種類のCDのみ盤の3形態でリリース。CDはそれぞれ収録されたリミックスが違う。DVDには『crossroad』のPVとメイキング、そして前シングル曲『blossom』のPVを収録。ジャケットは白をバックに銀色の衣装を着て立つあゆで、DVD付属盤が全身、CDのみ盤はそれぞれ膝から上とほぼ顔のアップ。

 

 

crossroad

作曲・編曲:小室哲哉

 

ストリングスがドラマティックに響き渡り、哀愁漂うメロディーを奏でる。人生において出会う、いくつもの分かれ道。戻れはしない選択に想いを馳せる、その切なさが沁みる。

自らの意思で道を選び、進んでいても、ふと「選んだ方はこっちでよかったかな」「反対側にあったのはなんだったのかな」という思いがかすめる。その選択の先にあった、今見えている景色と、かつて描いた夢とに、どのくらいの違いがあるのか。強がる事で自分を守っていた「アイツ」を思い出したり、すれ違う人に「あの子」を重ねたり。この「アイツ」や「あの子」が、自分の選ばなかった方の道に行った人々なのだとしたら、ある意味では迷っていた自分自身、なっていたかもしれない自分自身と同じとも取れる。

けれどこうした心境は、単なる後悔から生まれるものではないだろう。想い出ばかり転がる道を通り過ぎることは「温かいけど苦しかった」と、主人公の「私」は言う。そして「それでも進み続けてるまだ負けてなんかいないよって」という、自らを奮い立たせるような一節が放たれる。過去を完全に振り切るわけではなく、かと言っていつまでもこだわるわけでもなく、その葛藤を抱えながらただ、選んだ道での戦いをやめないのだ。「変わって行く事変えて来た事 変えられない事」という歌詞に、選択を積み重ねた人生の重みが込められている。50枚目のシングルを前にして「私はうまく笑えてる?」と問うあゆに、我々は何と答えるべきだろうか。

PVでは、赤いドレスのあゆが一人いすに座り、どこかうっとりとした目で小さな火を灯す。やがて火は燃え広がり、あゆを包んでいくが、あゆは笑みを浮かべたまま。そんなあゆの周りにはたくさんのテレビの画面があり、別の姿のあゆが歌う様子が映し出されている。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ crossroad 歌詞 - 歌ネット

 

 

SEVEN DAYS WAR

作詞:小室みつ子

作曲:小室哲哉

編曲:CMJK

 

小室哲哉さんの所属するユニットTM NETWORKの楽曲をカバー。元は映画『ぼくらの七日間戦争』の主題歌として物語の内容に沿っている歌詞だが、あゆは国立代々木競技場第一体育館での7日連続ライブに臨む想いを込めて歌った。サウンドは、原曲よりもドラムが控えめであるなどの違いはあるものの、大きく雰囲気は変わらない。

 

 

歌詞リンク:浜崎あゆみ SEVEN DAYS WAR 歌詞 - 歌ネット

 

 

blossom(PV)

 

実写版としては初めてあゆ本人が登場しない。韓国のアーティストのジェジュンさんが主役、俳優の比嘉愛未さんがその恋人役として出演している。

彼女の絵を描く彼、素朴な幸せに溢れた二人の日常。しかし、思いがけない悲劇が訪れる。明るく優しい光に包まれた画面に映されるラブストーリーが、楽曲の切なさと美しさに重なる。

 

 

 

 

お読み頂いている皆様、もうすぐ新年ですね。

昨年に比べて、更新速度が恐ろしく下がってしまい、大変申し訳ございません。

おうち時間が増えているのに何故こんなに余裕がないのか……😢

 

今年はほぼ初めから最後まで、大変な1年でした。あゆにも色んな事が起きました。

しかし尚時は進み、新たな年がやって来ます。

どうか平和が戻るよう祈りつつ、2020年を閉じましょう。

良いお年を!